研究分担者 |
寺澤 秀朗 北海道医療大学, 歯学部・歯科補綴学第一講座, 助手 (10305914)
牧浦 哲司 北海道医療大学, 歯学部・歯科補綴学第一講座, 助手 (90347774)
平井 敏博 北海道医療大学, 歯学部・歯科補綴学第一講座, 教授 (80014273)
浜上 尚也 北海道医療大学, 薬学部・薬理学教室, 助手 (70221504)
齋藤 正人 北海道医療大学, 歯学部・小児歯科学講座, 講師 (50337036)
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研究概要 |
近年,高齢者における咬合・咀嚼と全身の健康との関連が注目されている.その中で,咀嚼機能の低下と精神心因的な要因との関連が指摘されている.すなわち,義歯の良否と心理的な要素との関連、生活機能の向上、および意欲の増進などの報告などがある。このことから,咀嚼機能の低下によって引き起こされる摂取食物の変化が情動ストレスとなり全身の健康に負の作用を及ぼす可能性が非常に高いことが推測される.本研究では,硬固物の摂食を好む習性を有するラットを用いて,固形飼料飼育時と粉末飼料飼育時におけるストレスホルモンの測定を行い,さらに、ストレスによって血中に放出されたコルチコイドが海馬の神経細胞に障害を及ぼすことが神経内分泌学研究から明らかなことから,摂取食物の変化によって引き起こされる情動ストレスと海馬のコルチコイドレセプターとの関連を検討した. 実験1;実験には,生後16週齢のWister系雄性ラット50匹を用い,実験期間を通して固形飼料にて飼育する対照群と18週齢になった時点で同一成分の粉末飼料に変更する粉末飼料群の2群に分割した。各群25週齢になった時点で灌流固定を行い,脳を摘出し,パラフィン包埋・切片作成の後、海馬におけるグルココルチコイドレセプターmRNAをin situハイブリダゼーション法を用いて観察し,2群間における発現様相を比較したところ,対照群に比して、粉末飼料群ではグルココルチコイドレセプターmRNAの発現が増加していた。 実験2:実験期間中における血中コルチコステロン濃度の日内変動を観察する目的で、18週齢になった時点で,外頚静脈にカテーテルを挿入し、自動血液サンプリング装置(エイコム社製DRII型)により2時間留置間隔で連続採血を行い,固形飼料から粉末飼料への変更による血漿コルチコステロン濃度の変化を観察した。その結果、粉末試料への変更に伴い血漿コルチコステロンの上昇が認められた。
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