研究課題/領域番号 |
14370645
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
玉置 幸道 昭和大学, 歯学部, 助教授 (80197566)
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研究分担者 |
福永 秀樹 昭和大学, 歯学部, 講師 (50199254)
堀田 康弘 昭和大学, 歯学部, 講師 (00245804)
宮崎 隆 昭和大学, 歯学部, 教授 (40175617)
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キーワード | リン酸塩系埋没材 / 鋳造 / アンモニア / ダストフリー |
研究概要 |
ペースト・ペーストタイプのリン酸塩系埋没材は、従来の粉末-液で練和する場合に比べて完全にダストフリーであるために埋没材の微粉末を体内に吸引する心配がなく、環境衛生という面から見ても有利であるといえる.リン酸塩系埋没材は第一リン酸アンモニウムと酸化マグネシウム、耐火骨材(一般的にはシリカであるクリストバライトや石英)で構成され、この混合粉末を水で練和すると第一リン酸アンモニウムが溶解して、酸化マグネシウムと反応し硬化する.ペーストを作る時の要点は、第一リン酸アンモニウムと酸化マグネシウムを分けることにある. 現在、当教室では第一リン酸アンモニウムから生じる有害ガスを防止して、しかも操作性や埋没材としての機能は第一リン酸アンモニウムと変わらない第一リン酸マグネシウムを用いたアンモニアフリーの歯科鋳造用埋没材への応用についても検討も進めているので、ペースト・ペーストタイプにはこちらの第一リン酸マグネシウムを利用することにした.始めに第一リン酸マグネシウムが水に可溶性であることに着目して市販の水溶液を作り、その中に耐火骨材であるシリカ粉末を加えて行き、泥状のペーストを作製した.一方の酸化マグネシウムは水に不溶性であるため油脂成分を用いて泥状の混和物とした.この二つのペーストを互いに一定量採取して埋没材を試作し、物性を調べた.割合については従来の結果を参考とした.その結果、強さは8-12MPa、硬化時間が7-13分と通常の市販リン酸塩系埋没材とほぼ同等の値を示した.また、加熱膨張はシリカの配合により増減が決まることも明らかとなり、試作では約1.6-2.0%の値であった.以上のことから、ペースト・ペーストタイプの試作リン酸塩系埋没材は歯科鋳造用に適用可能であると考えられた.次年度では粉末の粒度配合による更なる埋没材としての改善とともに、その臨床応用について検討を重ねる予定である.
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