研究課題/領域番号 |
14370646
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
櫻井 薫 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (20153950)
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研究分担者 |
赤澤 勇人 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (10322471)
安藤 友彦 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (70317907)
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キーワード | ブラキシズム / 腹式呼吸 / クレンチング / 筋電図 / 指尖部流血 |
研究概要 |
我々は、非就眠時ブラキシズムに着目し、一連の研究を行なってきた。その中で、今まで困難であった非就眠時ブラキシズムを検知する方法を確立した。また、小児喘息の治療に用いられる呼吸法を訓練するとその直後は、交感神経の緊張がとけ、非就眠時ブラキシズムが減少あるいは消失することを解明した。本研究では、開発した検知基準を利用して、非就眠時ブラキシズムを長期的に軽減あるいは消失させることのできる呼吸法、すなわち呼吸の方法や指導期間を検討することを目的に企画した。 平成14年度における成果を報告すると、被験者は、東京歯科大学千葉病院補綴科に来院した顎機能に問題の認められない上下顎天然歯列者を無作為に選択し、ホルター筋電計システム(Mega Electronics Ltd. ME3000P/RS-2)を用いて10分間の読書安静時の両側咬筋筋活動を測定し、我々が報告した非就眠時ブラキシズムの検知基準(咬筋筋活動が最大クレンチング時の10%以上で、3秒以上連続した筋放電を認めたものを1つ筋活動とした。また、筋放電と筋放電の間隔が4秒以内のものを1つの筋活動とした。)を用いて、非就眠時ブラキシストを10名抽出した。 ブラキシストに吸気7秒、呼気10秒の腹式呼吸法を10分間訓練したのちに、すぐに10分間の読書安静時の両側咬筋筋活動を測定したところ、10名ともに減少および軽減を認めた。また、30分後、同様に10分間の読書安静時の両側咬筋筋活動を測定したところ、2名についてはブラキシズム頻度の増加を認めた。したがって我々が指導した呼吸法は、今回設定した時間内ではブラキシズムの減少効果があることが示唆された。また、同時に交感神経の指標である指尖部血流の測定をレーザードプラー血流計を用いて行なうと、ブラキシズムが減少及び軽減した際には、血流量の増加が認められ、交感神経の緊張緩和が生じたことによると考察された。
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