研究概要 |
平成15年度日本歯科学会東関東支部総会・第7回学術大会にて、「非就眠時ブラキシズムに対する腹式呼吸の長時間抑制効果」の題名で発表を行った。 I.目的 我々は,昼間のクレンチングを中心とした非就眠時ブラキシズムに着目し,今まで困難であった非就眠時ブラキシズムを検知する方法を確立した^<1)>.また腹式呼吸法を訓練するとその直後には交感神経の緊張がとけ,非就眠時ブラキシズムが減少あるいは消失することを報告した^<2)>.そこで今回我々は,ブラキシズム検知基準を利用して,腹式呼吸を行うことによって非就眠時ブラキシズムを長時間軽減あるいは消失させることが可能か否かの検討を目的とした. II.方法 対象者は40名とした.10分間読書安静時の両側咬筋筋活動を測定し,非就眠時ブラキシズムの検知基準を用いて非就眠時ブラキシスト6名を抽出した.このブラキシストに吸気5秒および呼気10秒の腹式呼吸法を10分間訓練し,その直後から90分間の読書安静時の両側咬筋筋活動を測定した.呼吸法応用前のブラキシズム発現頻度を基準とし,10分間ごとの非就眠時ブラキシズムの発現状態を検討した. III.結果と考察 腹式呼吸法を行わせた後の30分間は,ブラキシズムはほぼ消失し,さらに応用後80分間は呼吸法応用前に比較してブラキシズムの頻度が有意に減少した.これは腹式呼吸を行うことによって交感神経の活動が約80分間低下したと考えられる. IV.文献 1)Piquero K, Sakurai K. Aclinical diagnosis of diurnal (non-sleep) bruxism in denture wears. J Oral Rehabil 27:473-482,2000. 2)安藤友彦.非就眠時ブラキズムの特性について.歯科学報103:156-162,2003.
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