研究課題/領域番号 |
14370648
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
志賀 博 日本歯科大学, 歯学部, 教授 (50226114)
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研究分担者 |
小林 義典 日本歯科大学, 歯学部, 教授 (20095102)
荒川 一郎 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (00277592)
横山 正起 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (60312071)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 咀嚼運動 / 身体運動 / 脳内血流 / 近赤外分光装置 |
研究概要 |
咀嚼運動や身体運動が脳内血流に及ぼす影響を明らかにする目的で、はじめに近赤外分光装置NIRO300を用いて、咀嚼運動や身体運動における脳内血流の変化を視覚的、定量的に調べられる脳内血流分析システムの開発を行った。健常者に咀嚼運動、指タッピング運動、動的掌握運動をランダムに行い、これらの運動時の脳内血流の変化を観察した結果、脳内血流は、いずれの運動時でも増加したが、その増加量は、咀嚼運動が最も大きく、以下指タッピング運動、動的掌握運動の順に小さくなった。これは、咀嚼運動のほうが他の身体運動よりも脳を活性化する可能性を示唆している。次に、健常者の主咀嚼側咀嚼時と非主咀嚼側咀嚼時の脳内血流量の変化を分析した結果、チューインガム咀嚼時の脳内血流は、主咀嚼側咀嚼時、非主咀嚼側咀嚼時ともに増加したが、咀嚼後に減少し、咀嚼前の状態に回復した。また、脳内血流の増加は、主咀嚼側咀嚼時のほうが非主咀嚼側咀嚼時よりも大きく、咀嚼側間に有意差が認められた。これらのことから、咀嚼により、脳が活性化されること、またそれは、主咀嚼側咀嚼時のほうが非主咀嚼側咀嚼時よりも強い可能性が示唆された。さらに、健常者に硬さの異なる4種類のグミゼリーと味の異なる3種類のグミゼリーを咀嚼させた時の脳内血流について分析した結果、脳内血流量は、硬さの違いでは、硬さが増すに従って多くなり、各グミゼリー間に有意差が認められた。また、味の違いでは、苦いグミゼリー咀嚼時が最も少なく、甘いグミゼリー咀嚼時、普通のグミゼリー咀嚼時の順に多くなり、普通のグミゼリー咀嚼時と苦いグミゼリー咀嚼時、甘いグミゼリー咀嚼時との間にそれぞれ有意差が認められた。これらのことから、脳内血流は、咀嚼運動によって増加すること、また食品の硬さや味の違いは、脳内血流の変化の大小に影響を及ぼすことが示唆された。
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