研究分担者 |
吉村 善隆 北海道大学, 歯学研究科, 助手 (30230816)
出山 義昭 北海道大学, 歯学研究科, 助教授 (80271667)
平沖 敏文 北海道大学, 工学研究科, 助教授 (10125346)
飯田 彰 北海道大学, 歯学研究科, 助手 (90292036)
福島 和昭 北海道大学, 歯学研究科, 教授 (00002361)
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研究概要 |
1.スピンラベル剤によるNa, K-ATPaseの修飾 試薬がNa, K-ATPase中のSH基に結合しており、かつNa, K-ATPaseの活性がある程度保持されるように試薬濃度および試薬との反応時間を決定した。 2.ESRについて 1.の結果をもとに、5種類のスピンラベル試薬から10種類のラベルしたNa, K-ATPaseを作成した。これらについてESRスペクトルを測定したところ、16-DSA62.5μM(反応時間30分)および500μM(反応時間30分)と、overnight処理した100μM 5-MSLおよび500μM 16DSA添加Na, K-ATPaseについて測定できた。ニトロキシドラジカルの溶液は、単独では鋭い3本線のスペクトルを与えたが、16DSAにてラベルされたNa, K-ATPaseのみをキャピラリーに入れ測定したスペクトルではラベルされた分子周囲の局所的環境の影響を受け、スペクトルが変化した。エタノール、ジエチルエーテル、ハロタン、エンフルラン、イソフルラン、セボフルラン、プロポフォールを加えると、いずれの麻酔薬においてもさらにスペクトルの変化が見られた。 3.NMRについて 水の1HのNMR測定の結果、Na, K-ATPaseをbufferに加えた場合のT1は(1.549±0.003s)であったが、16DSAをラベルした、Na, K-ATPaseのT1は(2.173±0.003s)となり延長した。この結果は、ラベル剤により修飾されている部位は疎水的な環境にあるか、近くに水分子があったとしても周囲の水分子との行き来がない状況であることを示唆する。
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