研究課題/領域番号 |
14370659
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小村 健 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10334434)
|
研究分担者 |
原田 浩之 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助手 (40343149)
戸川 貴史 千葉県がんセンター, 核医学診療部, 部長 (10145625)
|
キーワード | 口腔癌 / センチネルリンパ節 / 生検 / 舌扁平上皮癌 / 頸部郭清 |
研究概要 |
1.本研究の実施にあたり、東京医科歯科大学および千葉県がんセンターの倫理審査委員会に本研究である「口腔癌のセンチネルリンパ節生検の有用性に関する総合的研究」の実施許可を申請し、平成15年1月に実施の許可を得た。 2.また本研究の実施に先立ち、過去25年間に治療を行った舌扁平上皮癌342例のうち、頸部郭清術を行い組織学的に1個のリンパ節転移を確認した(センチネルリンパ節の概念が適応されるならばこれらの転移リンパ節は理論的にはセンチネルリンパ節転移と考えうる)44例を対象として、そのリンパ節転移の存在部位を検討した。全例、原発腫瘍は舌の側縁に発生し、側縁を前・中・後と三等分すると、発生部位は前方型5例、中央型34例、後方型5例であった。なお顎下リンパ節群は顔面静脈を境とし前・後に、また内深頸リンパ節群は内頸静脈を境に前・後に分けて検討した。転移リンパ節は腫瘍の発生部位には関係せず、オトガイ下リンパ節群3例、顎下リンパ節群11例(前:11例、後:0例)、上内深頸リンパ節群20例(前:10例、後:5例、不明:5例)、中内深頸リンパ節群8例(前3例、後:3例、不明:2例、下内深頸リンパ節群2例(前:0例、後:2例)であった。すなわち、舌扁平上皮癌のセンチネルリンパ節は上内深頸リンパ節に最も高頻度に認められるが、その部位はオトガイ下リンパ節群から下内深頸リンパ節群まで広範囲に分布しており、確実にセンチネルリンパ節を同定し、転移の有無を診断する本研究の有用性が示唆された。
|