研究課題/領域番号 |
14370659
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小村 健 国立大学法人東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10334434)
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研究分担者 |
戸川 貴史 千葉県がんセンター, 核医学診療部, 部長
原田 浩之 国立大学法人東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助手 (40343149)
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キーワード | 口腔癌 / 扁平上皮癌 / 頸部郭清術 / センチネルリンパ節 / センチネルリンパ節概念 / サイトケラチン免疫染色 / RT-PCR / CK17 |
研究概要 |
1.原発巣の臨床病態、病理組織学的所見および再建手術の必要性等の理由から予防的頸部郭清術を予定する症例において、術前日に原発巣周囲4箇所の粘膜下にリンパ節同定のtracerとして^<99m>Tc-フチン酸40MBqを注入し、Lymphoscintigraphyのplanar像及びSPECT像を撮像しhot nodeの部位を確認する。術当日、頸部郭清術中ならびに施行直後の手術標本中からγ-probeを用いてhot node(センチネルリンパ節)を同定した。 2.同定したhot nodeへの転移の有無をH-E染色による病理組織学的に、また抗サイトケラチン抗体(AE1/AE3)による免疫組織化学的に検索した。同時にhot nodeの一部を用いて、CK17 RT-PCR法およびCK19 RT-PCR法により微小転移の有無を検索した。また迅速性を考慮して細胞診的評価を加えた。 3.一方、頸部郭清標本においてhot node以外のリンパ節への転移の有無を病理組織学的に検索した。 4.以上の検索を20例の口腔扁平上皮癌症例において検討し、センチネルリンパ節概念が口腔癌においても成立しうること、すなわちセンチネルリンパ節生検の有用性を実証した。 5.以上の結果から、予防的頸部郭清術をせず原発巣切除のみを施行する口腔扁平上皮癌TXN0症例の12例に対しても、同様の方法でセンチネルリンパ節生検を行い、その有用性を確認した。 6.今後、センチネルリンパ節生検では、より鋭敏な微小転移検索法としてのRT-PCR法が、推奨されるが、その際の至適検索マーカーについてCK19およびCK17について検討したが、口腔の扁平上皮癌においてはCK17が適することを明らかにした。
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