研究課題
基盤研究(B)
医療機関にて閉塞性睡眠時無呼吸症候群と診断された23名の被験者に、試作したタイトレーション用スプリントを装着し、終夜睡眠ポリソムノグラフィーによって、呼吸換気停止とSPO2(動脈血酸素飽和度)の低下とがみられなくなるまで下顎を前方に誘導する、いわゆるタイトレーションを行ったところ、下顎の可動距離に対するその誘導量は平均71.7%で、約70%が11名と最も多く、次いで約80%が8名、約60%が4名であった。次に、タイトレーションに基づいたスプリント療法を、簡易モニタリング装置を用いて検討したところ、AHI(1時間あたりの無呼吸低呼吸の回数)、AH density(全睡眠時間に対する無呼吸低呼吸発作の合計時間の割合)、SPO2(動脈血酸素飽和度)の最低値、ODI(末梢動脈血中酸素飽和度が4%以上低下する1時間あたりの回数)のいずれにも、術前と比較して明らかな改善が認められた。したがって、終夜睡眠ポリソムノグラフィーを用いたタイトレーションはその精度に優れ、閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者におけスプリント療法を円滑に進めるのにきわめて有用であることが示唆された。
すべて 2004
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口腔病学会雑誌 71(2)
ページ: 95-101
The Journal of The Stomatological Society, Japan Vol.71,No.2,June