研究課題
基盤研究(B)
本研究では、治療期間が長期に及ぶという仮骨延長法の短所を改善すべく、骨形成に関与する各種growth factorに着目し、骨延長部位に発現するgrowth factorの同定およびその発現時期を分析・解明することで仮骨延長法の治療期間を短縮させることを目的とした。すでに確立していたウサギ下顎骨の仮骨延長実験系を用いて延長部に発現する各種growth factorを経時的に同定し、さらに同定されたgrowth factorを骨延長部に先行投与して骨形成の状態を経時的に観察すること。また本実験系をウサギよりも大型のイヌにおいて確立し、可能であればサルを用いた実験を行うというものであった。しかし現在までのところ、専ら再現性のよいウサギの実験系での研究が進行中で、その結果では、延長部に各種growth factorのmRNAが発現していることは判明しているが、それらの完全同定と発現時期を時系列に整理するには至っていない。一方growth factorの骨延長部への先行投与実験においては、骨形成因子を骨延長開始時よりも延長終了後固定開始時に投与する方が骨化を促進することがわかり、これを他のgrowth factorに置き換えた場合の比較を行っている。なお骨形成と直接関連はしないが、下顎骨骨延長部周囲の軟組織、特に筋肉や粘膜に、仮骨延長法の場合と一期的骨延長の場合とで組織学的な差が確認された。さらに免疫染色等を応用して骨延長部周囲軟組織の細胞増殖活性や再生能を観察したところ、仮骨延長ではそれらマーカーが増加している像が観察された。仮骨延長法はその周囲の軟組織を含めたhistiogenesisといわれているが、周囲筋肉や顎骨の場合であれば歯肉・粘膜の骨延長に伴う変化を解明することも今後の本研究テーマに関連する重要課題と考える.
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