研究課題/領域番号 |
14370662
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
芝地 貴夫 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助手 (90323724)
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研究分担者 |
鈴木 長明 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80014108)
戸田 一雄 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80134708)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | イオントフォレーシス / イオン導入 / AC / 交流 / 変動電場 / 局所麻酔 / 神経因性疼痛 / ニューロバシックペイン |
研究概要 |
東京医科歯科大学歯学部附属病院ペインクリニックに来院した患者(研究内容について十分な説明を行い、同意を得た)を対象にACイオントフォレーシスを実施した。対象疾患は術後疼痛、外傷後疼痛、下歯槽神経麻痺に伴うparesthesia、帯状疱疹後神経痛などのニューロパシックペインとした。 通電装置は医用機器の認可を得ているLasper^<TM>(三共電子工業社製)を用い、50Hzの双方向パルス波を通電した。通電強度は患者が不快感を訴えない範囲での最高強度とした。電極は化粧用コットンとアルミニウムフォイルを用いて自作した。薬剤は外用の4%キシロカインを用いた。通電時間は1時間から始め、十分な鎮痛効果が得られる範囲で徐々に短縮していった。 鎮痛効果を判定するために通電前後でVASによって疼痛強度を評価した。さらに、鎮痛効果がどれぐらい持続したかを次回来院時に患者に対して確認した。同時に通電後の皮膚の状態を観察し、通電による電気的火傷、発赤あるいは薬剤や金属によるアレルギー反応が生じていないことを確認した。 通電開始後約20分にはほぼ全患者が通電による刺激強度の減弱を訴えた。そこで、刺激が弱まったという患者の訴えに対して出力を上昇させて残りの時間の通電を行った。 所定時間の通電終了後には、ほぼ全患者において疼痛の消失あるいは疼痛の緩和が得られた。塩酸リドカインの効果持続時間は数時問であるが、顎顔面外傷後、帯状疱疹後神経痛、術後疼痛を訴える患者では24時間以上持続する和痛効果が認められた。これに反して智歯抜去あるいはデンタルインプラント埋入による疼痛患者では、和痛効果はほぼ塩酸リドカインの効果持続時間しか続かなかった。 ACイオントフォレーシスによる治療システムが神経因性疼痛の治療として安全かつ有効であることが確認され,実働段階に至った。
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