研究課題/領域番号 |
14370665
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
瀬尾 憲司 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40242440)
|
研究分担者 |
馬場 洋 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00262436)
前田 健康 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40183941)
藤原 直士 新潟大学, 医学部, 教授 (70181419)
|
キーワード | trigeminal / neuropathy / development / slice / optical imaging / membrane potential / formalin / paresthesia |
研究概要 |
8週齢の成熟ラットの顎関節に催炎性かつ発痛物質であるマスタードオイルを注射すると顎二腹筋の筋活動は両側性に亢進する。この反応は生後4週目にはみられず、その後成長に伴って認められるようになる。4週目に去勢を行なっておくとこの反応は成長しても生じなく、また去勢直後テストステロンを注射しておくと反応が回復することから痛み反射は生後4週以降に性ホルモンの影響を持って完成される。一方、痛み刺激による中枢の持続性興奮はホルモンと関係なく4週目以降に生じ始め成長に伴って完成されることがわかった。形態学的には生後3週目以降で、tractとsubstantia gelatinosaは完成していた。 求心路刺激による三叉神経脊髄路核尾側亜核内の興奮拡大を膜電位画像の解析で検討した。単発刺激により誘発される神経細胞の脱分極の同核内への広がりは出生直後には大きくその後低下すること。頻回刺激では刺激後に大きく脱分極の範囲が広がり長期にわたって持続する。ここの反応は生後3から4週目より生じ始め6週には完成する。 これら3つの研究により、痛み刺激による神経の興奮を調べる研究には生後6週目以降の動物を使用することが適当であることがわかった。そこで6週自以降のマウスの顔面に5%ホルマリンを注射してその投射部位である三叉神経脊髄路核尾側亜核の求心路刺激による反応変化を調べている。これはニューロパシックペインのモデルとなる。痛み刺激によってひとたび同核に興奮が誘発されると、同核へさらに頻回刺激を与えても神経の興奮は広がらないことが今までにわかってきている。今後はそのメカニズムについて詳細に検討する。 さらに臨床的な検討をも加えた。すなわち外科的顎矯正術後に生じた知覚神経障害を調べたところ、知覚閾値に異常がなくとも患者は「しびれ」という表現の異常感覚を生じていることが明らかになり、動物実験との関連の検討が必要である。
|