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2003 年度 実績報告書

口腔扁平上皮癌の浸潤増殖動態に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14370666
研究機関金沢大学

研究代表者

山本 悦秀  金沢大学, 医学系研究科, 教授 (00092445)

研究分担者 川尻 秀一  金沢大学, 医学系研究科, 助手 (30291371)
キーワード口腔扁平上皮癌 / 浸潤像 / リンパ節転移 / 増殖能 / 運動促進因子 / マトリックスメタロプロテアーゼ / 細胞接着因子
研究概要

本研究課題ではin vitroおよびin vivoでの各浸潤モデルにおける浸潤増殖像の検討およびin vivoでは浸潤モデルにおける浸潤像と転移との関係についてそれぞれ検討した。その結果、コラーゲンゲルを用いたin vitro浸潤モデルにおいて各癌細胞の浸潤能に応じた浸潤像を再現することに成功し、浸潤様式が高度になるにつれゲル中へのび漫性の浸潤を認めた。また、浸潤様式4D型の癌細胞ではコラーゲンゲル中に線維芽細胞を入れない状態でも、同様にび漫性の浸潤を認めた。これらの細胞の運動能を検討した結果、浸潤能の高い細胞で浸潤時に自己分泌型の運動促進因子(autocrine motility factor ; AMF)の高い発現を観察し、高浸潤細胞では線維芽細胞の産生するHGF等に頼らず自ら産生する運動因子で浸潤する能力があることが証明された。基質分解能では各種のマトリックスメタロプロテナーゼ(MMP)を検討したところ浸潤能の高い細胞でMMP-2,MMP-9,MT1-MMPの過剰発現を認めた。接着能では細胞間接着分子であるカドヘリンおよびデスモグレインについて検索したところ、浸潤能の低い細胞の浸潤像では細胞間接着が強固に観察されたが、浸潤能の高い細胞の浸潤像では両者の接着分子はいずれも高度に消失していた。以上より口腔扁平上皮癌の浸潤像の形成には運動能、基質分解能、接着能が密接に関係していることが示唆された。そこで、同じ癌細胞をヌードマウスの口腔内に移植した正所性移植モデルにおける転移能を検討したところ、高度浸潤像を示す細胞ではほぼ100%のマウスに頸部リンパ節転移を認めた。また、in vivoにおいても同様に、浸潤像の形成には運動能、基質分解能、接着能が密接に関係していることが示唆されている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Noguchi N., Kawashiri S., 他: "Effects of fibroblast growth inhibitor on proliferation and metastasis Of oral squamous cell carcinoma"Oral Oncology. 39・3. 240-247 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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