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2004 年度 実績報告書

口腔扁平上皮癌の浸潤増殖動態に関する実験的研究-特に浸潤様式からみた浸潤機序の解析を中心に-

研究課題

研究課題/領域番号 14370666
研究機関金沢大学

研究代表者

山本 悦秀  金沢大学, 医学系研究科, 教授 (00092445)

研究分担者 川尻 秀一  金沢大学, 医学系研究科, 助手 (30291371)
キーワード口腔扁平上皮癌 / 浸潤像 / リンパ節転移 / 増殖能 / 運動促進因子 / 細胞接着因子 / 間質反応
研究概要

本研究課題ではin vitroおよびin vivoでの各浸潤モデルにおける浸潤増殖像の検討およびin vivoでは浸潤モデルにおける浸潤像と転移との関係についてそれぞれ検討した。その結果、コラーゲンゲルを用いたin vitro浸潤モデルにおいて各癌細胞の浸潤能に応じた浸潤像を再現することに成功し、浸潤様式が高度になるにつれゲル中へのび漫性の浸潤を認めた。また、浸潤様式4D型の癌細胞ではコラーゲンゲル中に線維芽細胞を入れない状態でも、同様にび漫性の浸潤を認めた。これらの細胞の運動能を検討した結果、浸潤能の高い細胞で浸潤時に自己分泌型の運動促進因子(autocrine motility factor;AMF)の高い発現を観察し、高浸潤細胞では線維芽細胞の産生するHGF等に頼らず自ら産生する運動因子で浸潤する能力があることが証明された。基質分解能では各種のマトリックスメタロブロテナーゼ(MMP)を検討したところ浸潤能の高い細胞でMMP-2,MMP-9,MT1-MMPの過剰発現を認めた。接着能では細胞間接着分子であるカドヘリンおよびデスモグレインについて検索したところ、浸潤能の低い細胞の浸潤像では細胞間接着が強固に観察されたが、浸潤能の高い細胞の浸潤像では両者の接着分子はいずれも高度に消失していた。癌細胞周囲の間質反応を検索した結果では浸潤様式4D型において周囲に強い結合織造成が認められた。以上より口腔扁平上皮癌の浸潤像の形成には運動能、基質分解能、接着能が密接に関係していることが示唆された。また、最も高度な浸潤様式4D型では顕著な間質反応を伴いながら浸潤して行く様相が観察された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2004 2003

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 口腔扁平上皮癌の基質接着性と癌浸潤様式との関連性の検討2004

    • 著者名/発表者名
      田中彰, 川尻秀一, 山本悦秀, 他
    • 雑誌名

      日本口腔組織培養学会誌 12・1

      ページ: 45-46

  • [雑誌論文] 口腔扁平上皮癌におけるFGF-2発現に関する免疫組織化学的検討2004

    • 著者名/発表者名
      長谷剛志, 川尻秀一, 山本悦秀, 他
    • 雑誌名

      日本口腔腫瘍学会誌 16・1

      ページ: 13-20

  • [雑誌論文] 口腔扁平上皮癌の浸潤・転移モデル2004

    • 著者名/発表者名
      川尻秀一, 田中彰, 山本悦秀, 他
    • 雑誌名

      日本口腔組織培養学会誌 12・2

      ページ: 1-14

  • [雑誌論文] Biological characteristics of the most invasive oral squamous cell carcinoma.2003

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto E, Kawashiri S, at al.
    • 雑誌名

      Oral Oncology Vol.9

      ページ: 229-231

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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