研究概要 |
1.連続気孔性アパタイト焼結体の調整と物性評価 連続気孔性アパタイト焼結体の強度を増すために気孔径を0.5mm前後に小さく調整する努力を行ったが,結果的には昨年度と同様約0.8mm前後の気孔径を有する連続性アパタイト焼結体しかできなかった.そのため気孔径約1.0mmと約0.8mmのアパタイト焼結体を作成し実験に供した.その物性はともにβ型リン酸三カルシウムとα型リン酸三カルシウムであった. 2.小動物を用いた経時的な骨形成の組織学的検討 ウサギの大腿骨に形成した骨欠損に気孔径1.0mm,0.8mmの気孔径の異なるアパタイト焼結体ブロックを埋入後,12週目に組織学的に気孔内での骨形成状態を検討した.その結果気孔径の違いにかかわらずアパタイト焼結体の孔内に骨の形成が認められ,その多くの部位で結合組織を介さずに直接アパタイト焼結体と接しているのが確認された.しかし気孔径の相違による気孔内の骨形成量に違いは認められなかった.すなわち気孔径1.0mmと0.8mmの違いでは気孔内への骨芽細胞進入に相違はないと考える. 3.自己骨髄間質性細胞(BMSC)の分離・培養とその骨形成能の評価 rabbitの腸骨より骨髄を採取し数回継代培養後,alkaline phosphate(ALP) activityを測定したところ,ALP活性の増強を確認した. 4.BMSCの連続気孔性アパタイト焼結体への添加 Rabbit腸骨より採取した骨髄より得られたBMSCをフィブリノーゲンと懸濁し気孔径0.8mmの連続気孔性アパタイトに添加し実際にアパタイト焼結体に付着しているのを確認した. 5.BMSC含有連続気孔性アパタイト焼結体のrabbit下顎骨欠損部への移植 ラビット下顎骨下縁の骨欠損部にBMSC含有連続気孔性アパタイト焼結体を埋入.一方controlとして反対側にBMSC非含有連続気孔性アパタイト焼結体を同様に埋入した.6ヶ月後,12ヶ月後に組織学的に骨再生量を評価する予定である.
|