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2003 年度 実績報告書

がん転移を制御する細胞接着因子を標的にした口腔癌の遺伝子治療の開発に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14370674
研究機関広島大学

研究代表者

林堂 安貴  広島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70243251)

研究分担者 岡本 哲治  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00169153)
キーワード口腔癌 / 細胞接着 / インテグリン / 浸潤 / 転移 / 扁平上皮癌
研究概要

インテグリンはαサブユニットとβサブユニットか非共有結合で会合するヘテロ二量体で,細胞膜上に発現し細胞外基質の受容体として細胞接着や遊走を制御していることが知られている.インテグリンαVβ3は細胞外基質蛋白のビトロネクチンやフィブロネクチンの受容体として細胞接着や細胞遊走を制御するほか,基底膜成分に対し強い分解活性を示す活性型マトリックスメタロプロテアーゼ2(MMP-2)をがん細胞の細胞膜上に結合させる因子としても知られている.本研究では,インテグリンαv遺伝子導入によりインテグリンαv蛋白の発現亢進を行い,口腔扁平上皮癌細胞の増殖や浸潤に与える影響について検討した.扁平上皮癌細胞ではインテグリンαvはβ8と二量体を形成し,I型コラーゲンに対する細胞接着を制御し,細胞増殖のシグナル伝達に関与していることが明らかとなった.このことはI型コラーゲンによって誘導されるαv高発現細胞の細胞増殖とMAPキナーゼであるERKのリン酸化が,インテグリンβ8アンチセンスオリゴによって抑制されることから確認された.さらにαv遺伝子導入細胞は細胞膜上のMMP-2結合能が亢進しするとともに,I型コラーゲンゲルへの浸潤能が亢進していた.一方,αvアンチセンス遺伝子尊入は扁平上皮癌細胞のインテグリンαV蛋白の発現を抑制し,扁平上皮癌細胞のin vitro及びin vivoの増殖及び浸潤能を低下させたことから,インテグリンαvを分子標的とした扁平上皮癌の遺伝子治療の可能性が強く示唆された.

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Hayashido, Y., Urabe, K., Yoshioka, Y., Kitano, H., Okamoto, T., Matsuya, T.: "Participation of fibroblasts in MMP-2 binding and activation on the surface of oral squamous cell carcinoma cells"Int.J.Oncol.. 22(3). 657-662 (2003)

  • [文献書誌] Hayashido, Y., Nakashima, M., Urabe, K., Yoshioka, H., Yoshioka, Y., Hamana, T., Kitano, H., Koizumi, K., Okamoto, T.: "Role of stromal thrombospondin-1 in motility and proteolytic activity of oral squamous cell carcinoma cell"Int J Mol Med.. 12(4). 447-452 (2003)

  • [文献書誌] Asada, N., Tanaka, Y., Hayashido, Y., Toratani, S., Kan, M., Kitamoto, M., Nakanishi, T., Kajiyama, G., Chayama, K., Okamoto, T.: "Expression of fibroblast growth factor (FGF) receptor genes in human hepatoma-derived cell lines"In Vitro Cell Dev Biol Anim.. 39(7). 321-328 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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