研究課題/領域番号 |
14370681
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
大竹 繁雄 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (20050031)
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研究分担者 |
安孫子 宜光 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (70050086)
山本 正文 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (80210558)
平塚 浩一 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (80246917)
小倉 直美 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (10152448)
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キーワード | 口腔扁平苔癬 / マイクロダイセクション / DNAマイクロアレイ / 腸管関連リンパ組織 / IgA抗体応答 |
研究概要 |
本研究では粘膜組織の免疫機構を解析し、口腔扁平苔癬の発症機序を明らかにするために病変部の上皮細胞層を採取し、遺伝子発現の変化について解析を加えた。採取した上皮細胞層よりRNAを抽出しRTにより、二本鎖cDNAを作製し、in vitro transcription(IVT)のテンプレートととして使用したが、1回のIVTでは十分なcRNA量が得られなかったので、2回IVTを繰り返した。その後、cRNAを断片化して、GeneChipマイクロアレイにハイブリダイゼイーションを行い、遺伝子解析を行った。解析の結果、合計8763遺伝子(口腔扁平苔癬2469遺伝子、健常歯肉4204遺伝子)が検出されたが、統計処理後、273遺伝子が口腔扁平苔癬において有意に変化していた。変化の認められた273遺伝子の中で、44遺伝子がコントロールに対して2倍以上増加を示し、130遺伝子が2倍以上の減少を示した。simple ontology classificationにより、口腔扁平苔癬においてはapoptosis、enzymes、immunity、signal transductionに関連する分子がコントロールに比較して2倍以上の増加を示した。一方、cancer、cell cycle、enzymes、nucleic acid binding、cell structure、transportに関連する分子が減少していた。また、マウス腸管粘膜における抗原特異的IgA抗体応答について解析を加えるために、胎生期あるいは出生後にTNFR55とlymphotoxinβRの刺激伝達経路を遮断し、各種の腸管関連リンパ組織欠損マウスを作製し、経口抗原に対する分泌型IgA抗体応答誘導機序を解析した。その結果、孤立リンパ小節はIgA誘導における必須のリンパ組織ではないこと、また、腸間膜リンパ節の重要性が示唆された。
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