研究課題/領域番号 |
14370686
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小口 春久 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30124689)
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研究分担者 |
三留 雅人 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50261318)
白川 哲夫 北海道大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教授 (00187527)
有賀 正 北海道大学, 大学院・医学研究科, 客員助教授 (60322806)
菊入 崇 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10322819)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 遺伝性エナメル質形成不全症 / エナメリン / アメロジェニン / 分化 / 遺伝子変異 / 歯胚 / エクソン / イントロン |
研究概要 |
遺伝子変異によるヒト歯牙形成異常の発症メカニズムを明らかにする目的で、本学歯学部倫理委員会認可のもと、遺伝性エナメル質形成不全症(AI)と診断された患者およびその家族から採血を行い、単核球を分離したのちDNAを抽出してPCR解析・PCR-SSCP解析・シークエンス解析を行い、原因遺伝子の同定を試みた。また、歯胚分化と萌出に関連のある因子の働きについて検討した。 1)常染色体優性低形成型エナメル質形成不全を認めた家系ではエナメリン遺伝子に変異が確認されが。変異の部位はエクソン9とイントロン9の揖界に位置し、グアニン1塩基の欠失がエナメリン蛋白の形成に何らかの異常をもたらしているものと考えられた。なお、アメロブラスチン遺伝子には変異は認められなかった。 2)患児父方家系に起源する4世代にわたるX連鎖優性遺伝性AIが疑われた女児とその姉、両親及び家族についてX連鎖AIの責任遺伝子の1つであるアメロジェニンに関して遺伝子解析を行ったところ、PCR-SSCP解析においてエクソン5を含むフラグメントで患児とその姉・父にそれぞれコントロールと異なるパターンを認め、シークエンス解析の結果CCT→CGT(Pro^<52>→Arg)の変異が確認された。臨床所見では、患児姉妹に共通してエナメル質表面に歯軸方向の凸凹が確認された。この変異は疾患保有者のみに認められ、コントロール100人以上でも確認されないため、多型ではなく、本疾患の病因変異である可能性が示唆された。 3)ヒト歯牙形成異常に対する遺伝子治療臨床研究に向け、CD34陽性細胞へのレトロウイルスベクター導入について検討した。その結果、GCsapM-ADAを用いた遺伝子導入法により、CD34陽性細胞でのADA酵素活性の上昇が確認された。 4)マクロファージ遊走阻止因子(MIF)が破骨細胞分化過程にどのような影響を及ぼすかについて検討したところ、MIFが分化・成熟過程にある破骨細胞の融合過程を阻害することで、成熟した破骨細胞の出現を抑制しているという結果を得た。
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