研究課題
基盤研究(B)
代謝阻害作用のある糖アルコールの検索を目的に各種糖アルコールのミュータンスレンサ球菌に対する糖代謝(酸産生)阻害効果を検討した。Streptococcus mutans NCTC10449(Sm)を増殖、集菌、洗菌の後、菌懸濁液とし、これに60mMグルコースあるいは60mMグルコースに60mM糖アルコールを添加したものを加え、酸産生速度を測定した。糖アルコールは、キシリトール、ラクチトール、リビトール、アラビトール、マルチトールを用いた。キシリトールはSmのグルコースからの酸産生速度を約40%低下させたが、他の糖アルコールは全く阻害しなかった。また、グルコースで増殖したSmはいずれの糖アルコールからも酸を産生しなかった。以上のことから、グルコースで増殖したSmの糖代謝(酸産生)を阻害するのはキシリトールであり、今回検討した他の糖アルコールには糖代謝阻害効果がないことが分かった。キシリトール・カクテルのミュータンスレンサ球菌に対する糖代謝(酸産生)阻害効果を検討した。(1)Smの菌懸濁液に10mM各種糖あるいはこれに60mMキシリトールを添加したカクチルを加え、酸産生速度を測定した。糖はグルコース、フルクトース、ガラクトース、マルトース、スクロース、ラクトースを用いた。キシリトールとカクテルにすることで、フルクトース以外の全ての糖からの酸産生は12〜83%阻害できることが分かった。(2)Smの菌懸濁液に、60mMキシリトール、0〜6.4mMフッ素、あるいはキシリトール・フッ素カクテルの存在下で、10mMグルコースからの酸産生速度を測定した。キシリトール・フッ素カクテルは、キシリトールあるいはフッ素単独よりも、グルコースからの酸産生をより効率的に阻害することが分かった。
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