研究課題/領域番号 |
14370688
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
相馬 邦道 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10014200)
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研究分担者 |
割田 博之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (30262207)
高野 吉郎 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90126425)
柳下 正樹 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70132793)
大坪 邦彦 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (20272601)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 咬合機能低下 / 歯根膜 / 矯正力 / 回復 / 再生 / 移植 / 歯根吸収 |
研究概要 |
【目的】当教室で行われてきた咬合機能低下モデルにおいて、歯根膜幅径・血管数・血管径の減少、細胞外基質の分布の変化や産生の低下、歯根膜機械受容器の分布や形態の変化などが報告されてきた。本研究は、さまざまな機械的刺激(咬合力や矯正力)が機能低下歯歯根膜および隣接する歯周組織に及ぼす影響を検討することにより、歯根膜機能の回復に関する詳細な機構を明らかにし、さらには矯正刺激を用いた歯根膜再生の可能性を検討することを目的として実験を行った。 【材料および方法】咬合機能低下モデルには、ラット臼歯部において対合歯を抜去したもの、あるいは前歯部にバイトプレートを装着して臼歯咬合を排除したものを使用した。その後、咬合刺激や2-10gfの矯正刺激を持続的あるいは間歇的に機能低下歯に作用させ、各種細胞外基質および一酸化窒素合成酵素の分布・発現、歯の移動距離や歯根吸収に着目し、それらの変化を組織化学的および免疫組織化学的に観察した。 【結果】機能低下モデルでは、矯正力による歯の移動距離が正常な状態と比較し異なることが明らかとなった。また、機能低下歯では強い力に対しては歯根吸収が起こりやすくなるが、より弱い力によって病的変化を起こさずに円滑な歯の移動ができることが示唆された。さらに、細胞外基質や一酸化窒素合成酵素は、機械的刺激によりその分布や産生を変化させ、それらは歯根膜の機能維持に関与していることが示唆された。 【考察】機能低下歯歯根膜は、正常な機能歯歯根膜と比較し、機械的刺激に対する感受性が異なるため、力の強さや種類、作用時間を変えることにより、歯根吸収などの病的な反応を回避する必要がある。また、咬合力や矯正力などの機械的刺激は、機能低下により廃用性萎縮した歯根膜を回復させ、歯周組織の代謝を促進できるため、適度な機械的刺激が歯根膜の回復・再生に有用であることが示唆された。
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