研究課題/領域番号 |
14370690
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
須田 直人 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90302885)
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研究分担者 |
大山 紀美栄 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90014216)
小守 壽文 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00252677)
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キーワード | 歯 / 萌出 / 鎖骨頭蓋異形成症 / runx2 |
研究概要 |
runx2/cbfa1遺伝子は、ヒト鎖骨頭蓋異形成症(CCD)の原因遺伝子であるCBFA1/PEBP2αAのmouse homologueである。CCDは鎖骨、頭蓋骨等の膜性骨の形成障害を主徴とするが、興味深いことにrunx2/cbfa1遺伝子欠損マウスヘテロ接合子(以下heterozygoteと記す)においても同様の骨組織の異常がみられる(Cell,1997)。ところで、CCDでは多数歯にわたる過剰歯や埋伏歯・萌出遅延を伴う場合が多いが、その原因は不明であり、この遺伝子改変マウスにおける歯の萌出過程を観察し正常マウスと比較した。 計5腹35匹のマウスが生まれ、PCRによるgenotypingの結果、ほぼメンデルの法則を満たす20匹の正常マウスと15匹のheterozygoteが得られた。上顎切歯と上顎第一臼歯は、野生型と比較してheterozygoteで有意に萌出が遅延した。生後10日の上顎第一臼歯萌出路に局在する破骨細胞数は、野性型と比較してheterozygoteで有意に少なかった。一方、大腿骨ではこのような破骨細胞数の差は観察されなかった。 骨形成異常を呈するCCDの疾患モデル動物として知られるheterozygoteでは、上顎歯の萌出が遅延し、萌出路に特異的に限局して破骨細胞が観察される。以上の結果から、この遺伝子改変マウスはCCDの埋伏歯や萌出遅延の原因を明らかにしていく上で有用なモデル動物であることが明らかとなった。
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