研究課題/領域番号 |
14370691
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
小野 卓史 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30221857)
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研究分担者 |
誉田 栄一 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助手 (30192321)
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キーワード | 構音器官 / 言語障害 / 舌 / 口唇 / 口蓋 / 口唇口蓋裂 / fMRI / 一次感覚運動野 |
研究概要 |
咽頭、喉頭、舌、口蓋および口唇などの構音器官と言語障害についてこれまでにX線映画法や内視鏡を用いて末梢における形態ならびに機能異常を調べた数多くの報告がある。構音器官に器質的異常を有する口唇口蓋裂(CLP)患者では、発音時に何らかの補償機構が作動している可能性が考えられる。しかし、CLP患者の発音の中枢性制御機構に関する研究は極めて少ない。本研究は、非侵襲的脳機能画像法の一つであるBlood oxygenation level dependent(BOLD)-functional magnetic resonance imaging(fMRI)を用いて、CLP患者の発音時における大脳皮質一次感覚運動野(S1/M1)賦活パタンの解析を試みた。右利きの健常成人6名(25-31歳、男性4名)およびCLP患者3名(17-24歳、男性3名)を被験者とした。発音課題は/pa/(両唇音)、/ta/(歯茎音)、/ka/(軟口蓋音)の3課題とした。1.5T-MRI装置を用いて、Gradient Echo型Echo Planar Imaging法により撮影を行った。1ブロック(32秒)でオン・オフとし、それぞれの課題に対して、1セット(6ブロック)施行し、SPM99を用いて解析した。発音時のS1/M1賦活パタンに関して、健常者と比較して片側CLP患者では、/pa/発音時の最大賦活部位が上方に位置していた。また。患側のS1/M1の方が、健側と比較して賦活レベルが高い傾向が認められた。一方、両側CLP患者では、すべての発音時に最大賦活部位が下方に位置していた。今後は、CLP患者の特徴(裂型や口唇の可動性の程度、残孔の有無・部位・大きさ、歯の欠損や位置異常、歯列弓形態、鼻咽腔閉鎖機能障害の有無や程度など)を考慮しながらCLP患者の構音器官と高次脳による発音制御機能について解明していく予定である。
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