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2003 年度 実績報告書

S.mutansにおけるスクロース依存性付着機構の分子生物学的解明

研究課題

研究課題/領域番号 14370693
研究機関大阪大学

研究代表者

大嶋 隆  大阪大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80116003)

研究分担者 藤原 卓  長崎大学, 大学院・医歯薬総合研究科, 教授 (00228975)
キーワードStreptococcus mutans / グルコシルトランスフェラーゼ / グルカン結合タンパク / グルカン / 欠失変異株 / 組み換えタンバク / スクロース依存性付着
研究概要

う蝕原性細菌Streptococcus mutansにはその菌体表層に様々な構造物が存在し,その病原性に深く関与している.特に3種のグルカン合成酵素(GTF ; GTFB, GTFC, GTFD)および3種のグルカン結合タンパク(Gbp ; GbpA, GbpB, GbpC)は,S. mutansの主要な病原因子であるスクロース依存性平滑面付着に大きく関わっている.本研究においては,S. mutans MT8148株におけるこれらの欠失変異株とそれぞれの組み換えタンパクを作製し,そのスクロース依存性平滑面付着さらにはう蝕発生における役割を検討した.またS. mutansの血清学的特異性に関与する細胞壁多糖のその病原性発現への役割を,グルコース側鎖を欠失した変異株および臨床分離株で検討した.その結果,(1)3種のGTFのいずれが欠失してもS. mutansの平滑面付着能は有意に低下する.(2)3種のGTFのすべてが至適な比率で存在するとき,S. mutansの平滑面付着能は最大となる.(3)GbpAあるいはGbpCの欠落はS. mutansの平滑面付着能を有意に減弱させるだけでなく,う蝕誘発能も有意に低下させる.(4)S. mutansの菌体結合型グルカン結合タンパクであるGbpCは,GTFDが産生する水溶性グルカンと特異的に結合する.(4)細胞壁多糖におけるグルコース側鎖の欠失は,S. mutansの平滑面付着能にもう蝕誘発能にも大きな影響を与えないことが明らかとなった.
以上の結果は,S. mutans菌体表層タンパクが,そのスクロース依存性平滑面付着,さらにはう蝕発生に重要な役割を演じていることを示している.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Nakano K.: "Attenuation of glucan-binding protein C reduces the cariogenicity of S. mutans"Journal of Dental Research. 81. 376-379 (2002)

  • [文献書誌] Matsumura M.: "The role of glucan-binding proteins in the cariogenicity of S. mutans"Microbiology and Immnology. 47. 213-215 (2003)

  • [文献書誌] Matsumoto M.: "Effect of oolong tea polyphenols on glucan binding domain of recombinant glucosyltransferases from S. mutans MT8148"FEMS Microbiological Letters. 228. 73-80 (2003)

  • [文献書誌] Nakano K.: "Demonstration of S. mutans with specific cell wall polysaccharide in the human oral cavity"Journal of Clinical Microbiology. 42. 198-202 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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