研究課題/領域番号 |
14370696
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
社 浩太郎 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10303976)
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研究分担者 |
高田 健治 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50127247)
北井 則行 朝日大学, 歯学部, 教授 (20271025)
村上 秀明 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (00263301)
内山 百夏 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (80322171)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 数理モデル / シミュレーション / 診断 / 歯根膜 / 咬合接触面積 / 咬合力 / 顎関節負荷 / クレンチング |
研究概要 |
(1)骨格性1級でアングル1級正常咬合者の顎顔面形態と咬合状態を入力した顎口腔の数理モデルを考案した。このモデルは動的な咬合状態と、顎運動、咬合力、顎関節負荷の経時的変化の正常像を予測することができる。(2)最大かみ締めを行うときの閉口筋活動をモデルに入力して、咬合に、1)著しいアングル2級の大臼歯関係、2)前歯部開咬、3)大臼歯の欠損、という状態を与えた時に出力される、顎関節負荷について予測した。この結果、大臼歯部で安定した大きな咬合力を発揮できない咬合状態が存在する場合、正常咬合を有する場合と比較して、顎関節に著しく大きな負荷がかかることが予測できた。(3)正常咬合モデルの顎関節部と、歯根膜の粘弾性に対して、平均と平均±1標準偏差の値を入力して、最大かみ締めを行うときに、顎関節負荷と咬合負荷の間には如何なる相互作用があるかについて予測した。この結果、歯根膜の粘弾性が小さい(硬い)ほど顎関節負荷は増大することが予測できた。(4)正常咬合モデルについて、下顎の片側大臼歯歯根膜の粘弾性に対して、人工歯根を下顎骨に植立した時に示される硬さを入力して、顎関節負荷を予測した。この結果、反対側の顎関節に、大きな負荷がかかることが予測できた。(5)正常咬合者の顎口腔の数理モデルと、第一小臼歯4本の便宜抜去を伴う矯正治療を行ったと仮定した、上下第一小臼歯を欠いた歯列を有するモデルとを用いて、クレンチング時の顎関節負荷を予測した。その結果、上下第一小臼歯を欠いた歯列のモデルをのほうが、全ての歯を有する歯列のモデルより8.5%顎関節にかかる負荷が大きいことが予測できた。この顎関節負荷の上昇は、側頭筋前部の筋活動を30%減少させることで防ぐことができた。(6)クレンチング時の上下歯の咬合面間距離を高精度でマッピングする方法を考案した。(7)矯正力による歯の初期移動に関する実験データを参考に、歯の初期移動を予測することが出来る、歯根膜のダイナミクスに関する逆動力学モデルを考案し、大臼歯2本と小臼歯1本との間に矯正力を与えたときの歯の移動量について予測したところ、大臼歯2本の歯根膜は小臼歯と比べて歯根表面の面積が大きいにもかかわらず、小臼歯の移動量の85%を占めることが予測できた。
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