研究概要 |
初年度は第一段階として、本研究への被検者としての協力者選定を行っている。 また予備研究として、これまで蓄積された超・極低出生体重児(Extremely & Very Low Birth Children, EVLBC)と健常小児(Full Term Children, FTC)のデータから、米飯、グミゼリー(グミ)の咀嚼開始から嚥下までの咀嚼筋筋活動量を時系列分析を含め計測方法について検討し、さらに超・極低出生体重児の咀嚼発達の特徴について検討した。 被験児は、超・極低出生体重児6名(初回時平均年齢5.0歳、2回目5.7歳、3回目6.3歳、HellmanのDental Stage IIA期)と、対照群として本学小児歯科に歯科管理目的で来院している満期正常出生児で健康状態が良好なIIA期小児16名(平均年齢5.4歳)を用いた。被験食品としてガム(2g)、米飯(5g)、グミ(3g)を用い、食品咀嚼時筋活動電位を左右側頭筋前部(RTM, LTM)、左右咬筋浅部(RMM, LMM)および左側顎二腹筋前腹(DM)から導出した。ガム自由咀嚼については咀嚼開始から5発目以降の咀嚼リズムの安定した10波形を対象に平均活動量を求めた。また来飯およびグミについては咀嚼開始から嚥下までの連続した3波形を1セクションとし連続的に筋活動量を測定し、さらに開始から嚥下までを前半、中盤、後半の3部に分割し、各部での連続する3セクション積分値を筋活動量とした。解析項目として、総筋活動量(TMA(μV・s)=(RTM+LTM)/2+(RMM+LMM)/2+DM)、ガム自由咀嚼時筋活動量に対する米飯とグミゼリー咀嚼時の活動比率(米飯/ガムx100、グミ/ガムx100(%))、さらに総筋活動量に占める各筋活動割合(TM%,MM%,DM%)について、1咀嚼運動内での時系列分析を行った。 その結果、問題食行動の認められたEVLBCを平均5歳以降で筋電図学的に検討した結果、咀嚼運動は一見FTCと差はないように見えたが、実際の咀嚼筋活動はFTCと異なる活動を示していた。しかし平均6.3歳児では満期正常出生児に近づく傾向を示していた。
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