研究課題/領域番号 |
14370709
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村上 伸也 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70239490)
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研究分担者 |
池澤 一彦 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (80294114)
北村 正博 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (10243247)
島袋 善夫 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (50231361)
浅野 泰司 科研製薬株式会社, 総合研究所主任研究員
佐保 輝之 大阪大学, 歯学部附属病院, 助手 (10263295)
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キーワード | 歯周組織 / 歯周組織再生 / 塩基性線維芽細胞増殖因子 / サイトカイン療法 / 歯根膜細胞 / 歯肉上皮細胞 / グリコサミノグリカン / ヒアルロン酸 |
研究概要 |
歯周組織再生を考える上で、歯肉の下方増殖の制御は重要な課題となる。そこで、我々が歯周組織再生誘導剤の候補として注目している塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の歯肉上皮細胞に対する影響をin vitroにて検討した。その結果、歯肉上皮細胞は、FGFR1〜4までのFGFレセプターサブタイプのmRNAを発現し、bFGF刺激は濃度依存的に歯肉上皮細胞の増殖反応を促進することが明らかとなった。しかしながら、bFGF依存的な増殖反応の程度は歯根膜細胞のものに比し軽微であった。興味深いことに、血清存在下で歯肉上皮細胞にbFGF刺激を加えたところ、bFGF刺激により誘導される増殖反応が著明に抑制されることが明らかとなった。一方、歯根膜細胞の増殖反応に対してはbFGFと血清の共刺激が相乗的に作用することが確認された。次に、歯周組織再生誘導の際の足場(scaffold)候補の一つとして期待されるグリコサミノグリカンの産生に対するbFGFの影響を検討したところ、歯根膜細胞からのコンドロイチン硫酸産生にはbFGF刺激はほとんど影響を及ぼさなかったものの、ヒアルロン酸およびヘパラン硫酸産生をbFGF刺激は濃度依存的に亢進することが明らかとなった。また、bFGF刺激により誘導されるヒアルロン酸の分子量は、bFGFの濃度依存的に創傷治癒期に重要な役割を果たすと考えられている高分子量型へと変化していくことが確認された。また、ヒアルロン酸合成酵素(HAS)の内、高分子量型のヒアルロン酸合成に関与するHAS1およびHAS2のmRNA発現がbFGF刺激により歯根膜細胞内で高まることが明らかとなった。また、歯根膜組織の3'-directed cDNA libraryを用いた歯根膜組織における細胞外基質様タンパクの発現プロフィールの解析および、ビーグル犬を用いた根分岐部III級の歯周炎もデルの作製を検討中である。
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