研究課題/領域番号 |
14370715
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
橋本 俊一 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (80107391)
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研究分担者 |
穴田 仁洋 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (90344473)
中村 精一 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (90261320)
中島 誠 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (50207792)
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キーワード | ロジウム(II)錯体 / 不斉反応 / カルベン / C-H挿入反応 / ナイトレン / C-Hアミド化反応 / カルボニルイリド / 1,3-双極付加環化反応 |
研究概要 |
本年度は、N-フタロイルアミノ酸を架橋配位子として組み込んだロジウム(II)カルボキシラート錯体およびその誘導体を用いた不斉触媒反応を検討し、以下の成果を得た。 1.α-ジアゾエステルの分子内C-H挿入反応において、トルエン中Rh_2(S-PTTL)_4を用いると、-78℃下反応が円滑に進行し、2,3-cis-置換シクロペンタノンが完璧なジアステレオ選択性並びに94%の不斉収率で得られることが分かった。Rh_2(S-PTTL)_4を用いた場合、当初予想されたβ-脱離は全く起こらなかった。この結果は、α-ジアゾエステルのエナンチオ選択的分子内C-H挿入反応の最初の成功例である。 2.(4-ニトロフェニルスルホニルイミノ)フェニルヨーディナンを用いたC-H結合のアミド化反応において、Rh_2(S-TCPTTL)_4を触媒に用いると、最高不斉収率88%が得られることが分かった。現在、ロジウム(II)ナイトレン中間体を機軸とする不斉アミド反応の一般化を目指し、種々の基質を用い不斉C-Hアミド化を検討中である。 3.Rh_2(S-BPTV)_4を用いたカルボニルイリド形成を経る1,3-双極付加環化反応において、求双極子剤として芳香族アルデヒドを用いると、完璧なエキソ選択性および最高92%の不斉収率が得られることを見いだした。また、予備的知見ではあるが、カルボニルイリド中間体のLUMOと求双極子剤のHOMOが反応する逆電子要請型1,3-双極付加環化反応において、Rh_2(S-PTTL)_4を用いると45%の不斉収率が得られることが分かった。現在不斉収率の向上を目指し反応条件を詳細に検討中である。
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