研究課題/領域番号 |
14370717
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
石川 勉 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (20114233)
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研究分担者 |
関 宏子 千葉大学, 分析センター, 助手 (60114245)
渡辺 敏子 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (40120323)
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キーワード | グアニジン / グアニジニウム塩 / アジリジン / 反応機構 / エポキシド / ビルディングブロック / 環開裂 / 還元的開裂 |
研究概要 |
グアニジン型化合物に期待される高い機能性を発掘することを目的として、新たにグアニジンケミストリーを展開した。(I)グアニジニウム塩を塩基存在下芳香族アルデヒドと反応させ、続いてシリカゲルで処理すると、アジリジンが生成することを発見している。この不斉合成にも応用可能な新規アジリジン合成反応について、付加中間体を捕捉することを目的として酸無水物など活性反応種と反応させたところ、酸無水物もシリカゲルと同様にアジリジン生成に寄与し、その反応速度は酸無水物のアルキル基の嵩高さと反比例することが判った。さらにこの反応機構にアプローチするため、各種パラ置換ベンズアルデヒドを用いて反応を試みた。その結果、アルコキシ基のような電子供与基とニトリル基のような電子吸引基では反応速度や生成するアジリジンの立体選択性が異なり、この新規アジリジン合成反応ではハメット則に従った2種類の反応機構に従うことが示唆された。一方、(II)キラルアジリジンをビルディングブロックとして用いる生理活性含窒素化合物の新規不斉合成法の開発の一環として、アジリジン環の還元的開裂反応やルイス酸触媒によるヘテロ求核剤あるいは炭素求核剤を用いた開裂反応を検討した。還元的開裂反応では反応条件によりα-あるいはβ-アミノ酸を選択的に合成することに成功した。また、後者の開裂反応では環開裂体の立体化学は求核剤に依存することを明らかにした。さらに、(III)本アジリジン生成反応の反応機構の解析から、エポキシドと第3級グアニジンを反応させるとアジリジンが直接合成出来ると予想された。そこで、スチレンオキシドにグアニジンを作用させたところ、予想通りスチレンオキシドの3員環酸素が窒素に置換わったアジリジン誘導体が得られることを認めた。この反応は高い立体選択性を示すことも明らかにした。
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