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2002 年度 実績報告書

新規チアゾール関連化合物の分子設計及び合成と多目的機能開発への応用

研究課題

研究課題/領域番号 14370723
研究機関徳島大学

研究代表者

長尾 善光  徳島大学, 薬学部, 教授 (40027074)

研究分担者 佐野 茂樹  徳島大学, 薬学部, 助教授 (20226038)
キーワードチアゾール / 非結合性相互作用 / X線結晶構造解析 / ルシフェリン / DFT計算 / 炭酸脱水酵素 / ストロメリシン / アセタゾラミド
研究概要

我々は、数年来チアゾール関連化合物に着目し、それらの独特な分子構造特性[双極子-双極子反発、非結合性S…X(X=O, N, S)相互作用、π…π相互作用、CH…π相互作用]を活用する特異分子の合成開発、各種不斉誘導反応の開発、カルバペネム系抗生物質の合成開発、アンジオテンシンII受容体拮抗に起因する血圧降下剤の合成開発、生理活性天然物全合成への応用等を実施展開してきた。本研究課題を研究推進させて現在までに達成した実績を述べる。すなわち、2-(フラン-2-イル)-1,3-チアゾール誘導体ではフランの酸素原子とチアゾールの硫黄原子との間で非結合性相互作用を示したが、2-(チオヘン-2-イル)-1,3-チアゾール誘導体ではチオヘンの硫黄原子はチアゾールの窒素原子とで相互作用を示していることが各々のX線結晶構造解析によって明らかとなった。ホタルの発光物質であるルシフェリン及び類似構造化合物を合成し、それらをX線結晶構造解析に付したところ、ベンゾチアゾールとチアゾリン(もしくはチアゾール)との間で二組の非結合性S…N相互作用の存在と環状分子全体の平面性を確認した。ルシフェリンは酵素ルシフェラーゼ分子内でも同様の分子構造特性を示すものと考察している。次いで、2-オルトハロ(F, Cl, Br, I)フェニル-1,3-チアゾール誘導体を合成しX線結晶構造解析に付したところ、期待通り非結合性S…X(X=F, Cl, Br, I)相互作用の存在を確認した。これら非結合性相互作用を示す各種結晶構造は、各々対応する関連異性体構造とのDFT計算に基づく相対エネルギーを比較することにより、最安定であることが明かとなった。Zn^<2+>を含む炭酸脱水酵素I、IIならびにストロメリシンの基質である利尿薬チアジアゾール誘導体であるアセタゾラミドや関連化合物が酵素分子内(複合体結晶構造)でも非結合性S…O相互作用を示していることが明らかとなった。上述の新知見を基盤として更なる新規な機能開発に向けて研究展開したい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Yoshimitsu Nagao: "Synthesis of New Chiral Sulfinyldiacetic Acid Derivatives and Attempt at Chemoselective Asymmetric Pummerer Reaction"Chemical & Pharmaceutical Bulletin. 50. 558-562 (2002)

  • [文献書誌] Yoshimitsu Nagao: "Remarkable Discrepancy in the Predominant Structures of Acyl(or thioacyl)aminothiadiazoles, Acyl(or thioacyl)aminoozadiazoles and Related Compounds"Tetrahedron Letters. 43・9. 1709-1712 (2002)

  • [文献書誌] Yoshimitsu Nagao: "Highly Chemoselective Pummerer Reactions of Sulfinyldiacetic Acid Derivative"Tetrahedron Letters. 43・8. 1519-1522 (2002)

  • [文献書誌] Yoshimitsu Nagao: "Development of New Reactions and Their Pharmaceutical Application Based on the Molecular Structure Characteristics"Yakugaku Zasshi. 122・1. 1-27 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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