研究概要 |
1.原子間力顕微鏡(AFM)を用いた粒子の新しいキャラクタリゼーション法の開発 現在まで困難とされていたナノ粒子(サブミクロン粒子)の硬さをAFMを用いて間接的に評価できることを、リポソームをモデル粒子として実証した。(PSWC(2004/5)にて公表予定) 2.新規カチオン性リポソームの粘膜付着,浸入特性の評価 すでに明らかにしているキトサンコーティングリポソームの粘膜付着,浸入特性をキャラクタリゼーションをすることを目的として、新しい処方のカチオン性リポソーム、キトサン分子それ自身のこれらの特性評価を行った。その結果、キトサンコーティングリポソームはキトサン-ムチンの相互作用が推進力となり、そのままの状態で消化管粘膜膜に浸入していくことが強く示唆された。(PSWC(2004/5)にて公表予定) 3.微粒子を用いた消化管免疫応答 昨年度明らかにしたOVA封入キトサンコーティングリポソームと新たに設計したOVA封入PLGAナノスフェアの免疫応答効果の差異を評価した。その結果、いずれも大きな効果が認められたが、その応答の時期が異なること、それがOVAのリリースと相関があること等を明らかにした。(日本薬学会124年会(2004/3)公表予定) 4.微粒子の細胞浸入特性 Caco-2細胞など代表的な細胞を培養し、微粒子と細胞の相互作用、細胞への浸入性、透過性を評価した。その結果、キトサンコーティングリポソームはこれらの細胞と強い親和性があること、微粒子キャリアーを用いることにより有意に薬物透過性が向上することを明らかにした。(PSWC(2004/5)にて公表予定) 5.多孔性微粒子を用いた薬物キャリアーの設計 メソポーラスシリカなどの多孔性微粒子への薬物封入、放出特性を明らかにした。(論文公表)
|