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2003 年度 実績報告書

癌の中性子捕捉療法への適用を指向したナノ粒子の構造設計と製法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 14370733
研究機関神戸学院大学

研究代表者

福森 義信  神戸学院大学, 薬学部, 教授 (60102927)

研究分担者 市川 秀喜  神戸学院大学, 薬学部, 講師 (00248105)
キーワード中性子捕捉療法 / 癌治療 / ガドリニウム / 薬物送達システム / ナノ粒子 / エマルション / キトサン / 薬物体内動態
研究概要

1.脂質ナノエマルショシ(nanoLE)の腫瘍選択性の改善-従来処方中の大豆油量および水量を半減して高Gd含量(4.5mgGd/mL)のnanoLEを調製した。黒色腫細胞(D_1179)を皮下移植したSyrian hamsterを用い、Gd-nanoLE製剤1mLを24時間間隔で2回静脈内投与した。その結果,腫瘍内Gd濃度を189ppmにまで上昇させることが可能になった。
2.ミセル様脂質ナノエマルション(Gd-nanoMIC)の開発-Gd-DTPA-SA:HCO-40:ステアリン酸=300:1000:5の処方で,薄膜法と超音波法を組み合わせ,新たに70℃下で20分加温することにより,粒子径22nmで高Gd含量(45mgGd/mL)のミセル様ナノ粒子の調製を可能にした。この製剤を悪性黒色腫細胞(D_1179)担がんSyrian hamsterに各々1mLを24時間間隔で2回静脈内投与を行った。腫瘍内最高Gd濃度は投与24時間後で127ppm, T/B比は5.8となり,これは治療効果が期待できるレベルであった。
3.キトサンナノパーティクル(nanoCP)およびnanoLEの細胞内取り込み機構の解明とその促進法の検討-細胞内取り込みを評価するためのプロトコールの確立を行った.
4.nanoCP静注型製剤の開発-粒子の微細化とマグネタイト(MGT,平均径15nm,ζ電位-37mV)による表面修飾を検討した。異なる分子量のキトサンの0.5-2.5w/v%ガドペンテト酸(Gd-DTPA)水溶液を用いて、Gd-nanoCPをエマルジョン液滴融合法により調製した。キトサンの分子量および濃度を減少させるとGd-nanoCPの粒子径は減少し,分子量10kDaで1.5w/v%のとき,平均粒子径は最小(155nm)となった。これに対し,ζ電位とGd含量はいずれの場合もそれぞれ約25mVと約8%のほぼ一定値を示した。一方,Gd-nanoCPのMGT修飾によりζ電位は9mVに減少し,正電荷を有するGd-nanoCP表面へのMGTの静電的相互作用を介した単層吸着が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 福森義信: "医薬用機能性ミクロ・ナノ粒子設計"化学工学. 67(12). 678-681 (2003)

  • [文献書誌] 福森義信: "ナノバイオテクノロジーの最前線"シーエムシー出版. 439 (2003)

  • [文献書誌] 福森義信: "ナノパーティクル・テクノロジー"日刊工業新聞社. 257 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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