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2003 年度 実績報告書

c-Mycとその結合タンパク質による細胞周期調節機構と細胞癌化

研究課題

研究課題/領域番号 14370736
研究機関北海道大学

研究代表者

有賀 寛芳  北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (20143505)

研究分担者 有賀 早苗  北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (90184283)
北浦 広剛  北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (10281817)
平 敬宏  北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (70197036)
キーワードc-Myc / MM-1 / AMY-1 / 癌抑制遺伝子 / BIG2 / タンパク質分解 / ゴルジ体 / ユビキチン
研究概要

本研究室で同定した新規c-Myc結合タンパク質MM-1,AMY-1に関して以下の新知見をえた。
1.MM-1
MM-1はヒト染色体12番由来のスプライシングの違いによるMM-α,-β,γ,δとN末13アミノ酸が14番染色体由来の融合MM-1が存在し,細胞内の局在が異なっており、局在に必用なドメインを同定した。MM-1のc-Myc N末からのTIF1βを介する新規な転写抑制経路のターゲット遺伝子として癌遺伝子c-fmsを同定し詳細に解析した。更に、MM-1ノックダウン細胞によるDNAマイクロアレイ解析によりc-myc経路にあるWnt4遺伝子がMM-1のターゲット遺伝子であることも明らかとなった。更に、MM-1はCul II-Skp2-Elongin Bをc-Mycにリクルートしユビキチン化を促進するc-Myc分解を司る因子であることが明らかとなった。また、MM-1結合タンパク質としてCog4を同定した。以上より、MM-1によるc-Mycの転写抑制と分解の分子機構が明らかとなった。
2.AMY-1
AMY-1の機能解析を目的として、抗AMY-1抗体を作成しHeLa細胞における内在性AMY-1の局在を観察したところ、AMY-1は核の他、ゴルジ体にも強く局在していた。ゴルジ体におけるAMY-1結合タンパク質を得るため、AMY-1-FLAGを安定発現するCHO細胞株を作成し、AMY-1と免疫共沈するタンパク質として分子量200,190,95,78,70kDaのタンパク質を同定した。これらを質量分析法で更に解析したところ、95kDaのタンパク質はAMY-1結合タンパク質としてすでに知られているAKAP95、78kDa,70kDaについてはシャペロン分子であるGRP78,Hsc70であった。一方、200,190kDaのタンパク質はゴルジ体局在タンパク質として知られているBIG1,BIG2であった。今までの本研究室による研究からAMY-1がいくつかのAKAP(A-kinase anchoring protein)のRII-binding domainと結合することを明らかにしており、BIG2も3個のAKAP domainsを有すことからRII-binding domainを介したAMY-1の相互作用を予想され、現実にCHO,293T細胞抽出液を用いた共免疫沈降法でAMY-1とBIG2の1番目のRIIbeta結合部位との結合が確認され、BIG2とゴルジ体で共局在していた。同様にBIG1もBIG2と類似の配列を含む領域でAMY-1と結合した。BIG2はbrefeldin Aによりそのヌクレオチド交換能が阻害されるが、AMY-1はこの不活性型にも結合した。以上より、AMY-1のBIG2/BIG1複合体形成によるゴルジ体での機能が示唆された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Ariga et al.: "DJ-1, a target protein of androgen-related endocrine disrupters"Environmental Sci.. 10. 13-21 (2003)

  • [文献書誌] Furusawa et al.: "Molecular cloning of the mouse AMY-1 gene and identification of the synergistic activation of the AMY-1 promoter by GATA-1 and Sp1"Genomics. 81. 221-233 (2003)

  • [文献書誌] Niki et al.: "DJBP, a novel DJ-1-binding protein, negatively regulates the androgen receptor by recruiting histone deacetylase complex, and DJ-1 antagonizes this inhibition by abrogation of this complex"Mol.Cancer Res.. 1. 247-261 (2003)

  • [文献書誌] Kuroda et al.: "The actin-binding domain of Slac2-a/melanophilin is required for melanosome distribution in melanocyte"Mol.Cell.Biol.. 23. 5245-5255 (2003)

  • [文献書誌] Honbou et al.: "The Crystal structure of DJ-1, a protein related to male fertility and Parkinson's disease"J.Biol.Chem. 278. 31380-31384 (2003)

  • [文献書誌] Taira et al.: "DJ-1 plays a role in anti-oxidative stress to prevent cell death"EMBO Rep.. 5. 213-218 (2004)

  • [文献書誌] 有賀寛芳: "生物薬科学実験講座6・細胞の増殖と成長因争(1)細胞周期の解析"廣川書店. 5 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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