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2004 年度 実績報告書

炎症病態における組織破壊・修復・再生の機序解明とリモデリングの制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14370738
研究機関東北大学

研究代表者

大内 和雄  東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (20006357)

研究分担者 平澤 典保  東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (80181155)
石原 研治  東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (00312596)
キーワード気道上皮細胞 / Adherence junction / E-cadherin / 12-O-tetradecanoylphorbol 13-acetate / NCI-H292 / BEAS-2B / HL-60 clone 15 / ヒストン脱アセチル化酵素阻害薬
研究概要

1.気道上皮細胞のバリア機能の破壊の制御機構
ヒト気道上皮細胞NCI-H29細胞において、バリア機能を担うadhesion junctionの構成蛋白質E-cadherinの発現及び局在について解析した。NCI-H292は恒常的にE-cadherinを発現しているが、細胞密度が増加することにより、E-cadherinの発現量、細胞接着部位への局在、細胞骨格画分中のE-cadherin量の増加が観察された。12-0-tetradecanoylphorbol 13-acetate(TPA)で刺激したところ、8時間後で、細胞骨格画分中のE-cadherin量の低下、細胞接着部位へのE-cadherinの局在、及び細胞接着の解離が認められた。したがって、TPAはE-cadherinの局在を変化させることによりadherence junctionを破壊し、バリア機能を低下させることが示唆された。この実験系は、気道上皮組織のバリア機能の破壊の分子機序を解析するために適したものであると考えられる。
2.気道上皮細胞の分化の制御機構
破壊された気道上皮組織は、気道上皮細胞の遊走と分化により修復・再生される。これまで、この気道上皮細胞による修復・再生の分子機序を解析するために適した実験系がなかった。ヒト気道上皮細胞BEAS-2B細胞は血清等で分化する細胞であることが知られているため、BEAS-2B細胞を用いて、気道上皮細胞の分化・再生について解析した。BEAS-2Bは紡錘形を示す細胞であるが、コンフルエントな状態で培養すると、扁平形に形態変化を示す細胞コロニーが出現した。紡錘形のBEAS-2B細胞ではE-cadherinの発現量は極めて低かったが、扁平形に変化した細胞ではE-cadherinの発現が顕著になり、adherence junctionを形成した。この結果から、BEAS-2Bは上皮組織の再生過程を解析することが可能なモデル細胞になると考えられる。
3.好酸球の分化機構の解析
組織傷害、リモデリングに関与する好酸球の分化機構について、ヒトHL-60 clone 15細胞、及びEol-1細胞を用いて解析した。いずれの細胞も、ヒストン脱アセチル化酵素を持続的に抑制することにより、好酸球性細胞へと分化することが明らかになった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Possible mechanism of action of the histone deacetylase inhibitors for the induction of differentiation of HL-60 clone 15 cells into eosinophils.2004

    • 著者名/発表者名
      Ishihara, K., Hong, J., Zee, O.P., Ohuchi, K.
    • 雑誌名

      Br.J.Pharmacol. 142

      ページ: 1020-1030

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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