研究課題/領域番号 |
14370740
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
今中 常雄 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (50119559)
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研究分担者 |
谷口 寿章 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (10257636)
守田 雅志 富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (20191033)
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キーワード | ペルオシソーム / ペルオシソーム膜タンパク質 / Lon プロテアーゼ / ペルオキシソーム形成因子 / Zellweger syndrome / 副腎白質ジストロフィー / ペルオシソームの品質管理 / プロテオーム |
研究概要 |
ペルオキシソームを構成する全タンパク質を同定することを目的として、ラット肝よりNycodenz gradient centrifugationでペルオキシソームを調製し、さらに抗PMP70抗体ビーズで精製した。このペルオキシソーム分画をSDS-PAGE後、ゲルを2mm幅に断片化し、タンパク質の限定分解を行い、LC-MS/MS法で構成タンパク質の一斉分析を行った。その結果、以下の新しい知見を得た。 1.精製ペルオキシソーム分画にはミトコンドリアや小胞体の混入はほとんどないことが明らかになった。未同定のタンパク質14種を含む、約100種類のペルオキシソーム構成タンパク質を約100種類同定した。 2.未同定のタンパク質の1つは、その部分アミノ酸配列から大腸菌やミトコンドリアに存在するLonプロテアーゼと相同性が高いことが明らかになった。本タンパク質のC末端アミノ酸配列に対する抗体を作製し、その細胞内局在性を蛍光抗体法と免疫電顕で検討した。その結果、ラット肝ならびにヒト繊維芽細胞において、ペルオキシソームマトリックスに局在することが実証できた。 3.Lonプロテアーゼファミリーに属するこのタンパク質は、ペルオキシソームタンパク質の品質管理を担う可能性が考えられる。この仮説を実証するため、ヒトcDNAライブラリーから遺伝子をクローニング中である。 4.さらにペルオキシソーム膜を精製し、構成タンパク質の同定を進めている。またヒトペルオキシソーム病におけるペルオキシソーム構成タンパク質の変化を解析するため、ヒト繊維芽細胞ペルオキシソームの精製、分析条件を検討している。
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