研究分担者 |
山田 源 熊本大学, 動物資源開発研究センター, 教授 (80174712)
有馬 英俊 熊本大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (50260964)
池水 信二 熊本大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (60333522)
首藤 剛 熊本大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (80333524)
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研究概要 |
本研究は、タンパク質フォールディング異常に基づく遺伝病および難治性のガンの治療原理を開発するための基盤的研究であり、三つのプロジェクトから構成される。 第一の目的は,嚢胞性線維症の原因蛋白である変異CFTR (cystic fibrosis transmembrane conductance regulator),ΔF508 CFTRの小胞体保持にカルネキシンが直接的に関与しているか否か明らかにすることであった.その結果,CalnexinはER retentionしたCFTRのERADの抑制に重要であることが初めて明らかとなった.ΔF508 CFTRのER retentionは小胞体からの輸送障害に起因する可能性が示唆された.第二の目的は、最近、偶然にも見いだした熱ショック蛋白質を抑制するvitamin Kの作用機序を解明すると共に、構造活性相関を含め、さらに、有効な化合物も併せて探索した。その結果,VK2は温熱耐性の獲得を抑制すること,Hsp72のmRNA発現レベルには影響を与えないこと,Hsp72を強く抑制するナフトキノン誘導体は脂溶性の高い側鎖を持っていることがわかった.ワーファリンのS体はR体よりもHsp72を強く抑制する.第三の目的は、最近、我々により見いだされたX染色体上に存在するガン抑制遺伝子、MEF (Myeloid elf1 like factor)のエピジェネティックな遺伝子発現制御機構の解明だけでなく、X線結晶構造解析によってMEFを含むETS転写制御因子ファミリーの包括的かつ網羅的な構造一機能相関から、転写制御の多様性の本質とその多様性獲得の仕組みを原子レベルで解明することを行った。その結果,ガン細胞のいくつかで,MEFのintron 1にメチル化がおこっていることが分かった.現在,C末の結晶化を行っており,来年度には成果がでる予定である.
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