研究課題/領域番号 |
14370751
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
高野 達哉 帝京大学, 薬学部, 教授 (40124995)
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研究分担者 |
藤本 康之 帝京大学, 薬学部, 助手 (60317724)
森 雅博 帝京大学, 薬学部, 助手 (00230079)
板部 洋之 帝京大学, 薬学部, 助教授 (30203079)
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キーワード | 動脈硬化 / 泡沫細胞 / アポトーシス / ネクローシス / 高脂血症 / コレステロール / マクロファージ / 脂質球 |
研究概要 |
我々は泡沫細胞出現と細胞死が動脈硬化進展に大きな関わりがあると考え以下検討を進めてきた。生体は親水性の高い環境を生体膜という疎水性の膜で隔離することにより制御している。変性リポタンパク質の排除に関わり肥大化した泡沫細胞に崩壊が生ずると、泡沫細胞内に蓄積されていた脂質画分が細胞間に分散する。その結果、疎水性の高い生体膜により隔離されていた制御機構に破綻が生じ、粥腫形成という疾患として観察されるようになる。 具体的には、培養マクロファージにVLDLを取り込ませ、細胞内脂質球の動的変化を追跡する。その際、脂質球に局在するタンパク質ADRP (adipose differentiation related protein)、脂質複合体を認識する256C抗体、各オルガネラ、細胞骨格に対する抗体を用いて、検討した。本研究により、ADRPの細胞内での挙動が明らかになり、細胞内脂質蓄積機構の一端を明らかにすることができた。 VLDLをマクロファージ系細胞(J-774)に取り込ませると、細胞内に蓄積しているTG量の増加に伴いADRP量も増加することが見出された。しかも、泡沫細胞からTGを消費させるとADRPタンパク量も減少することが明らかになった。この知見から、ADRP発現が脂質球の蓄積と密接に関与していることが裏づけられる。さらに、ADRPはユビキチン化されプロテアソーム系で分解されるという知見も得られた。 今後、マクロファージの泡沫化とADRPの役割との関連から、泡沫細胞形成機構ならびにその崩壊機構解析の突破口としたい。
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