研究課題/領域番号 |
14370751
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
高野 達哉 帝京大学, 薬学部, 教授 (40124995)
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研究分担者 |
本間 光一 帝京大学, 薬学部, 講師 (90251438)
森 雅博 帝京大学, 薬学部, 助手 (00230079)
藤本 康之 帝京大学, 薬学部, 助手 (60317724)
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キーワード | アポトーシス / ネクローシス / 泡沫細胞 / 高脂血症 / 動脈硬化進展 / マクロファージ / 256C抗体 / リン脂質 |
研究概要 |
高脂血症患者血清存在下でマクロファージの培養を続けると、細胞質に局在している脂質球は大きくなり、脂質成分に変化が認められるようになる。培養4日目頃から泡沫細胞に膨潤化・崩壊が誘導される。さらに泡沫細胞の崩壊にともなって、脂質球ならびに細胞膜断片は細胞周囲に拡散する。細網間に放出され蓄積する脂質球ならびに細胞崩壊産物は再びマクロファージあるいは泡沫細胞に取り込まれ、泡沫細胞の膨潤化は促進される。この現象は、粥状動脈硬化巣に出現する泡沫細胞の運命に酷似している。 高脂血症患者血清存在下でマクロファージを培養し、細胞内脂質球の動的に変化を追跡すると、phosphatidylcholine(PC)をエピトープとし、cholestrol(FC)との複合体を認識する256C抗体、TUNEL染色、DNAラダーの検出、脂質球局在タンパク質ADRP、phosphatidylserineの露出などについて検討した。 具体的には、高脂血症患者血清で誘導した泡沫細胞を256C抗体で染色すると、4日目には泡沫細胞の脂質球が染色された。また、死にかかった泡沫細胞周辺に観察される脂質球も染色された。さらに、人工的に作成したcholesterylester(CE)の液晶を取り込ませた泡沫細胞でも、培養4日目には256C抗体で染色される脂質球が出現する。このことは細胞内でCEの分解されたFCがPCと複合体形成し、256C抗体で染色された可能性が考えられる。この結果は、泡沫細胞の崩壊にFCがPCと複合体形成が密接に関わっていることを示唆している知見である。
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