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2002 年度 実績報告書

生体膜脂質ドメインの構成とダイナミクスの分子解析

研究課題

研究課題/領域番号 14370753
研究機関特殊法人理化学研究所

研究代表者

小林 俊秀  理化学研究所, スフィンゴ脂質機能研究チーム, チームリーダー (60162004)

研究分担者 清水 善久  理化学研究所, スフィンゴ脂質機能研究チーム, フロンティア研究員 (80344042)
清川 悦子  理化学研究所, スフィンゴ脂質機能研究チーム, フロンティア研究員 (80300929)
キーワードエンドサイトーシス / エンドソーム / 脂質ドメイン / リゾビスホスファチジン酸 / フリップ-フロップ / ホスファチジルエタノールアミン / 膜融合 / 脂質プローブ
研究概要

1.細胞内オルガネラにおける脂質ドメインの生化学的、生物物理学的解析はほとんどなされていない。われわれは後期エンドソームの膜ドメインを界面活性剤を使用しない条件で分離することに成功し、生化学的解析を行った。後期エンドソーム内膜は二つのポピュレーションから成り、一方はホスファチジルコリンに富み、もう一方はリゾビスホスファチジン酸に富んでいた。リゾビスホスファチジン酸はpH依存的な膜融合活性を示し、この脂質がエンドソーム内膜における膜のダイナミクスを制御している可能性が考えられた。
2.シンナマイシンは細胞膜の内側に局在するホスファチジルエタノールアミンをレセプターとするユニークな毒素である。シンナマイシンがどのようにしてホスファチジルエタノールアミンを認識し毒性を発揮するかはわかっていない。われわれはシンナマイシンが細胞膜リン脂質のフリップ-フロップを誘起し、細胞膜の内側のホスファチジルエタノールアミンを外側へと移行させることを見出した。モデル膜を用いた実験からシンナマイシンによるリン脂質のフリップ-フロップは膜表面のホスファチジルエタノールアミンの含量に依存して起こることが示された。このような脂質膜の再編成の際にシンナマイシンのベータシート構造の増加が見られた。膜表面のホスファチジルエタノールアミン量が増加すると、シンナマイシンは膜融合や膜形態の変化を引き起こした。これらの結果はシンナマイシンがフリップ-フロップを引き起こすことにより膜への結合と毒性を促進していることを示している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Kobayashi, T.: "Separation and characterization of late endosomal membrane domains"J.Biol.Chem.. 277. 32157-32146 (2002)

  • [文献書誌] Kato, U.: "A novel membrane protein, Ros3p, is required for phospholipid translocation across the plasma membrane in Saccharomyces cerevisiae"J.Biol.Chem.. 277. 37855-37862 (2002)

  • [文献書誌] Takahashi, H.: "Long-term systemic therapy of Fabry disease in a knockout mouse by adeno-associated virus-mideated muscle-directed gene transfer"Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 99. 13777-13782 (2002)

  • [文献書誌] Makino, A.: "Cinnamycin (Ro09-0198) promotes cell binding and toxicity by inducing transb ilayer lipid movement"J.Biol.Chem.. 278. 3204-3209 (2003)

  • [文献書誌] 山路-長谷川 顕子: "スフィンゴミエリンを認職するタンパク質群"蛋白質核酸酵素. 47. 519-525 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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