研究課題/領域番号 |
14370753
|
研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
小林 俊秀 独立行政法人理化学研究所, スフィンゴ脂質機能研究チーム, チームリーダー (60162004)
|
研究分担者 |
庄籠 秀彦 独立行政法人理化学研究所, スフィンゴ脂質機能研究チーム, 研究員
石塚 玲子 独立行政法人理化学研究所, 小林脂質生物学研究室, 研究員 (60342747)
牧野 麻美 独立行政法人理化学研究所, スフィンゴ脂質機能研究チーム, リサーチアソシエイト (20373368)
村手 源英 独立行政法人理化学研究所, スフィンゴ脂質機能研究チーム, 研究員 (30311369)
|
キーワード | スフィンゴミエリン / 脂質ラフト / コレステロール / 脂質プローブ / 膜ドメイン / 膜結合性毒素 / エンドサイトーシス / フリップ-フロップ |
研究概要 |
コレステロールに富んだ膜ドメインはシグナル伝達、膜輸送などさまざまな膜を介する現象において重要な役割を果たしていると考えられる。しかしコレステロールの細胞内動態についてはわからないことが多い。ポリエチレングリコールコレステリルエーテル(PEG-Chol)はポリエチレングリコール(50(重合数))を共有結合した両親媒性のコレステロール誘導体である。われわれは蛍光標識したPEG-Chol(fluorescent PEG-Chol,fPEG-Chol)が、ステロール染色試薬であるフィリピンと同様に細胞のコレステロールを染色することを見出した。fPEG-Cholは人工膜にコレステロール依存的に結合した。fPEG-Cholの人工膜への結合には比較的高濃度(>50%)のコレステロールを必要とし、fPEG-Cholはコレステロールに富んだドメインを選択的に認識していることが示唆された。fPEG-Cholは他の低分子量のコレステロールプローブと異なり細胞毒性が低い。このことを利用してトレース量のfPEG-Cholを用いることにより細胞表面のコレステロールリッチドメインの動態を追うことができた。またコレステロールリッチドメインは他の脂質ラフトマーカーと共にエンドサイトーシスされることが示された。fPEG-Cholのもう一つの特徴は膜内のフリップフロップ速度が非常に遅いことである。したがってfPEG-Cholによりルーメン側の膜と細胞質側の膜のコレステロールリッチドメインを別々に標識することができる。このことを利用して、細胞内にコレステロールを蓄積するニーマンピックC細胞では後期エンドソームのルーメン側とゴルジ体の細胞質側にコレステロールが蓄積していることが示された。
|