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2002 年度 実績報告書

プロテインチップによる抗がん剤感受性マーカータンパク質の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14370760
研究機関(財)癌研究会

研究代表者

矢守 隆夫  (財)癌研究会, 癌化学療法センター・分子薬理部, 部長 (60200854)

研究分担者 有國 尚  住商バイオサイエンス株式会社, 横浜研究所, 所長(研究職)
旦 慎吾  (財)癌研究会, 癌化学療法センター・分子薬理部, 研究員 (70332202)
キーワード抗がん剤感受性マーカー / サロゲートマーカー / 蛋白質発現 / プロテインチップ / プロテオミクス / プロテオーム / 創薬ターゲット / がん化学療法
研究概要

プロテインチップによる抗癌剤感受性マーカー蛋白質の解析
抗癌剤処理により癌細胞内で起こる蛋白質発現変化の解析は、抗癌剤感受性診断のマーカーや治療効果判定のマーカー(サロゲートマーカー)の発見、ならびに新たな創薬ターゲットの発見に繋がると期待される。その解析に先立ち、癌細胞蛋白質をプロテインチップで分析するための至適条件を検討するため、様々な臓器由来の培養癌細胞の蛋白質発現解析をプロテインチップシステムにて行い、特定の臓器癌に発現している蛋白質を探索、同定した。大腸など8臓器、計39種のヒト培養癌細胞破砕液から高濃度ウレア溶液で蛋白質を抽出し、陰イオン交換チップに添加した。チップ表面に親和性のある蛋白質は時間飛行型質量分析計で検出した。各臓器の発現パターンを比べた結果、大腸癌由来細胞のみに11970Daの蛋白質が認められた。チップ上で決定された精製条件に従って精製し、ゲル内トリプシン消化により同定を試みたところ、目的蛋白質はProthymosin αであることがわかった。正常大腸粘膜にはその発現は見られなかった。Prothymosin αはそのmRNA発現レベルが細胞増殖に関与することが示唆されており、大腸癌においてもmRNAが高発現していることが報告されている。以上、プロテインチップシステムによってマーカー蛋白質候補を迅速に探索、同定できることがわかった。これに基づき、抗癌剤処理により癌細胞内で起こる蛋白質発現変化の解析を開始した。抗癌剤Taxolで処理したヒト肺癌NCI-H226細胞など7種のヒト癌細胞から蛋白質を抽出、イオン交換チップに添加し、チップ表面に吸着した蛋白質を時間飛行型質量分析計で検出した。この方法で少なくとも100種類の蛋白質が検出された。発現パターンをTaxol未処理のコントロールと比較した結果、Taxol処理後複数の細胞株に共通して発現が上昇または低下する蛋白質が認められた。その同定を進めている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Yang, L., Mashima, T., Yamori, T.et al.: "Predominant suppression of apoptosome by inhibitor of apoptosis protein in non-small cell lung cancer H460 cells : therapeutic effect of a novel polyarginine-conjugated Smac peptide"Cancer Res.. 63. 831-837 (2003)

  • [文献書誌] Owa, T., Yamori T.et al.: "Structure and Gene Expression Relationship Study of Antitumor Sulfonamides Including N-[2-[(4-Hydroxyphenyl)amino]-3-pyridinyl]-4-methoxybenzenesulfonamide and N-(3-Chloro-7-indolvl)-1.4-benzenedisulfonamide"J Med Chem.. 45. 4913-4922 (2002)

  • [文献書誌] Uesato, S., Yamori, T.et al.: "Novel histone deacetylase inhibitors : N-hydroxycarboxamides possessing a terminal bicyclic aryl group"Bioorg Med Chem Lett.. 12. 1347-1349 (2002)

  • [文献書誌] Dan, S., Yamori T.et al.: "An integrated database of chemosensitivity to 55 anticancer drugs and gene expression profiles of 39 human cancer cell lines"Cancer Research.. 62. 1139-1147 (2002)

  • [文献書誌] Ueki, A., Shiwa M., Arikuni, H.et al.: "Intramolecular epitope spreading among anti-caspase-8 autoantibodies in patients with silicosis, systemic sclerosis and systemic lupus erthematosus, as well as in healthy individuals"Clin Exp lmmnol. 129. 556-561 (2002)

  • [文献書誌] Tamamura, H., Arikuni, H., et al.: "Reduction of Peptide character of HIV Protease Inhibitors that Exhibit Nanomolar Potency against Muti-drug Resistant HIV-1 Strains"J.Med.Chem.

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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