研究課題/領域番号 |
14370761
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研究機関 | (財)微生物化学研究会 |
研究代表者 |
西村 吉男 財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究センター, 副センター長 (80164599)
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研究分担者 |
安達 勇光 財団法人微生物化学研究会, 微生物化学研究センター, ユニット長 (00250051)
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キーワード | ムコ多糖蓄積症 / Hunter病 / 1-N-イミノ糖 / Iduronate 2-o-sulfatase欠損 / シアスタチンB / substrate deprivation therapy / glycosaminoglycan / Iduronate 2-o-sulfotransferase |
研究概要 |
平成14年度と15年度に計画実施したムコ多糖蓄積症のHunter病(Iduronate 2-o-sulfatase欠損)のsubstrate deprivation therapyの治療薬創製を目的としたL-イズロン酸型1-イミノ糖の合成同族体(50数化合物)の中で微生物代謝産物シアスタチンB誘導体(SL-2,SL-12)がIduronate 2-o-sulfotransferase(2-OST)に対して強力な阻害活性を示した。16年度は、化合物SL-2およびSL-12について、細胞レベルでの阻害評価と生合成されるヘパラン硫酸グルコサミノグルカン鎖(GAG chain)の構造解析など詳細な生物評価を研究協力者のカリフォルニア大学・サンヂエゴ校J.D.ESKO教授の下で実施した。CHO-K1細胞を用いてSL-2およびSL-12の存在下に培養し(i)生成glycosaminoglycanのFGF-2とのbinding assay(ii)^<35>SO_4のglycosaminoglycan鎖への取り込み阻害(iii)^1H-GlcNAcを取り込ませ生成させた^1H-GlcNAc -glycosaminoglycan鎖の糖鎖分解酵素を用いて二糖単位にしての構造解析を行った結果in vivoでの効果が見られなかった。化合物SL-2およびSL-12は共にCHO-K1細胞に細胞毒性を示さないことから、細胞へ取り込みがないことが示唆された(Chem BioChem投稿中)。一方、化合物SL-2はBl6 BL6細胞の癌転移活性を抑制し、Bl6 BL6細胞への取り込みが示唆された(230回米国化学会年会招待講演発表予定)。これらの結果を踏まえて、細胞レベルでの活性の増強を視野に構造の最適化を進めた。化合物SL-2およびSL-12の構造を基調に細胞膜への透過性を増すことを視野に、酵素(2-OST)の攻撃位置のアセタミド基の除去や脂溶性官能基の導入、更に1位イミノ基への脂溶性に富む置換基の導入を行った。これら化合物を今後J.D.ESKO教授の協力の下酵素阻害および細胞レベルでの阻害評価を行う。
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