| 研究課題/領域番号 |
14370763
|
|---|
| 研究機関 | 名古屋市立大学 |
|---|
研究代表者 |
宮田 直樹 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (50114674)
|
|---|
| 研究分担者 |
中川 秀彦 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (80281674)
鈴木 孝禎 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (90372838)
|
|---|
| キーワード | オキシラジカル / ラジカル消去剤 / 活性酸素種 / ファーマコフォア / エダラボン / ESR / フラーレン / トコフェロール |
|---|
| 研究概要 |
活性酸素が関与する疾病の治療薬の開発を目的として、活性酸素消去能力を有する新規化合物の創製研究を行った。1)フラーレン骨格の持つ抗酸化活性を疾病治療薬として有効利用する目的で、水溶性フラーレン誘導体の合成を行った。水溶性官能基として、糖鎖、ポリエーテル基、カルボン酸基などを導入した。活性酸素消去能は、ESR法、DNA切断防御活性などで評価し、活性酸素消去能を有する水溶性フラーレン誘導体の創出を達成した。2)γ-トコフェロールの含窒素活性酸素種に対する特異的な防御作用を明らかにする研究では、γ-トコフェロールおよびその誘導体について、NOなどの活性酸素種との反応性を解析し、活性酸素消去能を評価した。また、本化合物は細胞膜に取り込まれやすく、その際活性酸素消去活性部位が細胞膜表面に局在化し部位特異的に活性酸素消去活性を発現させることが予測されることから、この局在的活性酸素消去能を評価する目的で、細胞膜モデルとしてリポゾームを用い、膜表面のフォスファチジルセリン(PS)の極性官能基の酸化的損傷の防御効果を指標とする新システムを構築した。本システムにより、γ-トコフェロールがリポゾーム表面にあるPSの極性官能基の酸化的損傷を効率的に阻害することを明らかにした。3)エダラボンを構造修飾し抗酸化活性化合物を創製する研究では、種々の構造修飾体を合成し、構造修飾が活性酸素消去能に及ぼす影響を明らかにした。また、置換位置が異なる長鎖アルキル鎖を有する誘導体を合成した。本化合物は、抗酸化能を有する官能基を細胞膜表面に局在化させて部位特異的に活性酸素消去活性を発現させることを意図して合成した化合物である。上記の細胞膜モデルとしてのリポゾーム系を用いて抗酸化活性を解析し、構造と活性酸素消去能の相関を明らかにした。今回合成した化合物は、細胞膜に分布し、細胞膜表面で局所的活性酸素消去能を有する化合物として、有効利用が期待できる。
|
