研究課題/領域番号 |
14370767
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
佐藤 政男 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (20045743)
|
研究分担者 |
近藤 昌夫 昭和薬科大学, 薬学部, 講師 (50309697)
角田 鉄人 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (00172049)
|
キーワード | ミトコンドリア / メタロチオネイン / 活性酸素 / 線維芽細胞 |
研究概要 |
高齢化社会の進展と共に増大する生活習慣病は遺伝的要素因に環境因子が加わった多因子病であり、現代の課題は双方の要因を明らかにする事である.生活習慣病の発症、進展には活性酸素の関与が示唆される。細胞内ミトコンドリアでは、呼吸での消費酸素の数%が活性酸素となり加齢や寿命などの生命の基本、更に退行性疾患に関連するが詳細は明らかではない。本年度は以下の点を明らかにした。 (1)ミトコンドリア電子伝達阻害剤投与によるミトコンドリアでの活性酸素産生の解析 脱共役剤2,4-ジニトロフェノール(DNP)、アンチマイシンAをマウスに皮下投与すると、肝組織および分離トコンドリア画分の過酸化月旨質濃度増大が見られた。グルタチオン合成阻害剤ブチオニンーS・R-スルフォキシミンを予め投与後にDNPを投与すると、肝ホモジネート及びミトコンドリアにおける過酸化脂質、同時にメタロチオネイン(MT)合成がDNP単独投与群に比較し増大し活性酸素産生による膜脂質変性及び活性酸素への応答反応が示された。メタチオネインは種々のストレスで誘導される事が知られるが、これまで不明であったミトコンドリア産生活性酸素とMTの関係が明らかとなった。他の抗酸化防御系の変動は見られなかった。 (2)ミトコンドリアにおける活性酸素産生が生成したメタロチオネインの役割の検討 MT遺伝子発現欠損及び野生型マウスにDNPを投与すると肝障害度はMT遺伝子発現欠損マウスが大きく、MTが活性酸素産生を調節している可能性がある。この事をMT遺伝子発現欠損及び及び野生マウス繊維芽細胞でDNP、アンチマイシンAを添加し活性酸素産生を比較すると、前者で大きくMTが細胞内でミトコンドリア由来活性酸素の産生と障害を調節している可能性が明らかとなった。更に、この事は、ビタミンEを前投与後にDNPを投与するとこれらの活性酸素産生と障害は抑制される事から確認された。
|