研究課題/領域番号 |
14370768
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
関田 康慶 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20107113)
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研究分担者 |
吉田 浩 東北大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (60275823)
都築 光一 弘前学院大学, 社会福祉学部, 講師 (40347844)
前沢 政次 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90124916)
藤井 建人 東北大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30108443)
目黒 謙一 東北大学, 大学院・経済学研究科, 助手 (90239559)
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キーワード | 医療・福祉・居宅 / 機能ユニット / 機能統合 / 小規模多機能施設 / コミュニティ化 / 効果・効率 / サービス評価 / 高齢者社会 |
研究概要 |
本年度は次の研究を行った。 (1)訪問系介護サービスの動線コストデータベースを用いた動線コスト分析(2)機能ユニットの特性と統合の効果に関するモデル分析(3)医療・福祉・居宅・生活機能ユニットの効果的な統合化に関する研究(4)医療・福祉・居宅機能連携・統合とコミュニティ化に関する研究(5)デンマークの医療福祉機能ユニット実態調査と分析(6)医療・福祉・居宅のコミュニティ化と政策設計(7)小規模多機能施設のモデルの設計と構築の実証分析 日本在宅事業所協会と共同で調査し、構築した動線コストデータベースを用いてサービスの種類ことの動線や事業所の特性による動線に関する分析を行ない、サービスの範囲と事業経営の限界について明らかにした。システムにおける機能ユニットがどのようにシステムに作用するかについて産業界の他の分野のモデルを参考に医療・福祉・機能ユニットの特性についてモデルを用いて分析した。分散型モジュールから統合型モジュールへの設計理念の変更は質の高いシステム構築を可能とするもので、医療・福祉・居宅機能ユニットについても同様なことがいえる。この機能ユニットの統合化については、サービスの質の向上、採算性の向上、利用者のアクセシビリティなどの向上が証明された。実際にこの機能ユニットを福祉機能ユニットの統合モデルとして設計し、モデル化された宮城県桃生町の小規模多機能施設について分析した結果、福祉施設と住宅との中間機能として住民からの評価は高く、小規模歌機能施設のサービスの質も専門職及びサービス利用者に評価され、経営についても損益分岐点を下げることができ、この小規模多機能施設の優れた点が実証された。デンマークを訪問調査した結果、福祉施設の解体が進んでおり、大部分の福祉施設は福祉機能ユニットと居宅機能ユニットに分解され、それらが車いすが通行できる誘導道や道路により統合・ネットワークがされている。このような試みは国の方針として推進されており、機能ユニットかと統合の効果が実証されていることを確認した。これらに関する研究成果は日本病院管理学会、社会福祉学会、日本計画行政学会で論文や学会発表が行われている。我が国は今後高齢社会がますます進展し、サービスの質の維持と制約された財源のバランスを維持する困難な時期に直面しているが、医療・福祉・居宅機能ユニット化の研究成果がこの問題の一助になることを確認した。これらの成果を実社会の中にどう反映されるかの検討が望まれる。
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