• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

紡錘体チェックポイント異常を原因とする新規高発癌性遺伝病の遺伝子クローニング

研究課題

研究課題/領域番号 14370776
研究機関広島大学

研究代表者

松浦 伸也  広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (90274133)

キーワードPCS症候群 / 紡錘体形成チェックポイント / 異数性モザイク / キネトコア / BubR1 / p55cdc / 高発がん性遺伝病 / Wilms腫瘍
研究概要

PCS(染色分体早期解離)症候群は梶井らが初めて報告した新しい染色体不安定症候群で、ヒトの先天性M期紡錘体形成チェックポイント異常症である。患者細胞は姉妹染色分体が高頻度に解離した染色分体早期解離と多彩な異数性モザイクを特徴とする。罹患患者は重度小頭症・発達遅滞・Dandy-Walker奇形・Wilms腫瘍合併を示す。私たちはPCS患者細胞株の機能解折を行って、PCS症候群のM期紡錘体形成チェックポイント異常はBubR1タンパクの発現低下が原因である可能性を見いだした。一方、ごく最近Hanksらは、本疾患に類似したMVA症候群患者にBubR1遺伝子変異を同定した。そこで私たちはPCS症候群7例についてBubR1遺伝子の変異解析を行った。その結果、7例すべてにBubR1の変異を同定した(一塩基欠失によるフレームシフト変異、スプライス変異および-アミノ酸置換)。しかしながらいずれもヘテロな変異であり、7例とも片側のアレルに変異は検出されなかった。そこでBubR1遺伝子近傍のハプロタイプ解析を行ったところ、変異の検出されないアレルは7例に共通のハプロタイプを示すことがわかった。またウエスタンブロット解析を行ったところ、変異の検出されないアレルからのBubR1蛋白発現量は低下していることがわかった。以上の結果から、PCS症候群はBubR1の発現低下(正常レベルの50%以下)が原因であることが証明された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Nijmegen breakage syndrome and DNA double strand break repair by NBS1 complex2004

    • 著者名/発表者名
      Matsuura, S.
    • 雑誌名

      Advances in Biophysics 38

      ページ: 65-80

  • [雑誌論文] NBS1 and its functional role in the DNA damage response2004

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi, J.
    • 雑誌名

      DNA Repair 3

      ページ: 855-861

  • [雑誌論文] The Nijmegen breakage syndrome gene and its role in genome stability2004

    • 著者名/発表者名
      Iijima, K.
    • 雑誌名

      Chromosome Res. 113

      ページ: 53-61

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi