研究課題/領域番号 |
14370778
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
遠藤 政夫 山形大学, 医学部, 教授 (40004668)
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研究分担者 |
蓬田 伸一 山形大学, 医学部, 助手 (90250802)
石井 邦明 山形大学, 医学部, 助教授 (10184459)
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キーワード | エンドセリン / ノルエピネフリン / マウス心筋細胞 / イヌ心室筋 / クロストーク / Caトランジェント / Na-Ca交換機構 / Caセンシタイザー |
研究概要 |
うっ血性心不全は日本を含む先進国において死亡率の高いもっとも重篤な循環器系疾患である。心不全の病態を解明し薬物療法を確立するための以下の基礎的成果が得られた。 1.遺伝子操作がしやすいマウスは、心不全モデル動物としての使用が急激に増加している。マウスにおける心機能調節機構の特異性に関して以下の成果を得た。Indo-1負荷マウス単離心筋細胞においてET-1は濃度依存性のCaトランジェント減少に伴われた細胞短縮減少を起した。この作用は選択的Na-Ca交換機構阻害薬SEA0400で遮断され、Na-Ca交換機構によるCaの細胞外への汲み出しの促進が重要であることが示された。この機序はマウスに特徴的なもので調節機構の種差として今後の課題としても重要な成果である。 2.心不全においては内因性調節物質として血中ET-1およびNE濃度が上昇するので収縮調節がクロストークによる可能性が高い。イヌ心室筋でET-1とNEのクロストークによる収縮性およびCaシグナル調節の機序を追求した。ET-1の作用はNE濃度に依存して陽性から陰性変力作用に逆転した。それぞれの作用には異なった情報伝達系の関与がある。この結果は心不全におけるクロストークの重要性を強く示唆する。 3.ウサギ心室筋において、ET-1とET-3はほぼ同程度の効力で陽性変力作用を惹起する。この機序を明らかにするためウサギ心室筋ET_AおよびET_B受容体をクロニングし、COS-7細胞に発現させたET_A受容体を用いてfluo-3負荷による細胞内Ca濃度変化を指標として作用を比較した。両者はほぼ同程度の効力で細胞内Ca濃度上昇を起こし、ウサギ心室筋ET受容体の特異性を示す実験結果が得られた。 4.Caセンシタイザーの作用機序および個々の薬物の特徴についてエクオリン負荷イヌ心室筋標本を用いて分析し、作用機構の差違を明らかにした。
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