研究課題
基盤研究(B)
グルタミン酸誘発ニューロン死を制御する生体内防御機構としての低分子量内在性物質に焦点を当てて検討を行った。1.ウシ胎仔血清より同定した新規化合物セロフェンド酸は、グルタミン酸によるニューロン死を顕著に抑制した。セロフェンド酸はNOドナーによるニューロン死も抑制したが、グルタミン酸受容体チャネル応答には影響を及ぼさなかった。セロフェンド酸はヒドロキシラジカルの生成を抑制し、パラコートや過酸化水素によって誘発されるニューロン死も抑制した。セロフェンド酸の構造に含まれるDMSOにも同様の作用が認められたが、その有効濃度域は約3000倍高く、セロフェンド酸の神経保護作用にはラジカル捕捉以外の要因が大きく寄与している可能性が示された。2.セロフェンド酸と類似の物性を有するニューロステロイドのうち、pregnenolone sulfateはNMDA毒性を増強し、pregnanolone sulfateはNMDA毒性を抑制した。これらの作用は主にNMDA受容体チャネルに対する直接の調節を介することが明らかとなった。3.ビタミンE類縁体の神経保護作用を検討した。過酸化水素によるニューロン死に対してtocotrienol類は有意な保護作用を示したが、α-tocopherolは無効であった。Tocotrienol類はsuperoxide、NO、グルタチオン枯渇によるニューロン死誘導も抑制した。Staurosporineによる細胞死はα-tocotrienolによって抑制された。一部のビタミンE同族体は抗酸化作用とは異なる機序を介してアポトーシスを妨げることが示唆された。4.ドネペジルなどのコリンエステラーゼ阻害薬が、グルタミン酸神経毒性を顕著に抑制することを見出した。ドネペジルの作用の発現には24時間以上の前処置が必要であり、ニコチン性アセチルコリン受容体の刺激が必要であることが示された。
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