研究概要 |
本年度は概ね計画に従い研究が行われ、応分の成果を得た。protein 1(P1)遺伝子のSNPの検出法でAlleic PCR法を確立した。至適プライマーを設計して同時に4箇所のSNP(G38A,-A908G, C1225T, Gl18A)の分析が可能である。本法で、サルコイドーシスにおいて38Aの頻度が増加する予備的結果を得た。今後、症例を増やし種々の疾患での遺伝子多型の検索を進め疾患感受性、予後などとの関連性を追及する予定である。 検査室で常温の条件でSNPタイピングを可能にするLAMP法を栄研化学(株)で同時に開発中である。チトクロームp450 CYP2C19遺伝子のSNPタイピング試薬を用いて、ヒトゲノム検体でSNPタイピングが可能であることを確認した。2種類のプライマーをallele specific primerとして用いることでallele specific PCRよりも精度が高くなり、さらにprimerの設定領域を増やして、P1をより特異的に増幅することが可能と期待される。現在は上記CYP2C19遺伝子のprimer設計の基礎設定条件に従って、複数セットのprotein1SNPタイピング用primerの設計を準備中である。LAMP法のSNPタイピング用のallele specific primerの設計は煩雑でありほとんどが手作業で、しばらく時間を要する。 P1と結合するdefensin様物質をtwo-hybrid systemで見いだし、ペプチドを合成、家兎抗体を作製した。現在肺組織を中心に酵素免疫組織染色を行い局在の有無を検索中である。もし陽性所見が得られた場合には、測定システムの構築、さらにはBALFからnative proteinを精製し、新たな蛋白成分についてP1との相互作用との関連性も含め研究を進めたい。
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