研究課題/領域番号 |
14370793
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 福井大学 (2004-2005) 福井大学(医学部) (2002-2003) |
研究代表者 |
三好 憲雄 福井大学, 医学部, 助手 (40209961)
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研究分担者 |
小笠原 利行 福井大学, 医学部, 助教授 (20260565)
今村 好章 福井大学, 医学部附属病院, 助教授 (40223341)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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キーワード | 赤外線(FT-IR)顕微鏡 / 凍結生組織切片 / 腫瘍組織 / ラマン分光顕微鏡 / マッピング画像 / 石灰化した動脈組織 / 胆石 / 虫歯 |
研究概要 |
本研究の最終年度に当たり、過去4年間の研究成果を下記のように総括する。 当初、ラマン分光顕微鏡本体の納期が1年近く遅れたため、初年度から既存のFT-IR顕微鏡にて、実験腫瘍凍結切片の生体成分であるコレステロールが腫瘍壊死部に沈着している事を明らかにした。また、FT-IRスペクトルのタンパク質のアミド基振動に対応するAmide-Iの吸収帯(1600-1700cm^<-1>)の多変量解析で、二次構造成分比をマッピングすることができるようになった。その結果、腫瘍内壊死部のタンパク質の構造は大きく変性していることが判明した。つまり、壊死部にβシート構造成分が増大していた。また、癌細胞の元気な部位はαヘリックス構造の割合が増大していることが明らかになり、今後、癌治療の効果を早期に判断するのに応用可能であると思われる。 ラマン分光顕微鏡では、主に硬組織の観察に応用した。軟骨変形症モデルを使用して正常軟骨との石灰化の程度やカルシュウム沈着量などをイメージングで提示できた。また、骨のもろさも変形性軟骨では、定量的に明らかにできた。さらには、これの他に虫歯、腎臓結石、唾石、胆石等のリン酸カルシュウムの分布や有機物の沈着部位が、画像としてマッピングをすることで明らかにできた。また、その画像解析により半定量的な議論ができるようになった。 以上の研究成果により、従来の診断とは全く異なるユニークな画像診断ができる目安が出来たように思われる。今後、さらなる症例数を積んで、より現実的な有効性を追求して行きたい。
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