研究課題/領域番号 |
14370798
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
町田 勝彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (70056886)
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研究分担者 |
河野 緑 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (00225385)
保科 定頼 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30119846)
上出 良一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (40119780)
桜井 進 河野臨床医学研究所, 主任研究員 (20056542)
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キーワード | staphylococcal exfoliative toxin / ETA / desmosomal cadherin / ganglioside |
研究概要 |
新産マウス皮膚組織のデスモソーム蚕白質はRT-PCRにより、生後10日でγ-カテニンの発現が極めて低下するが、他のデスモソーム蛋白質の発現は殆ど変化が見られないことから、新産マウスのET作用を受ける物質はγ-カテニンと推定した。そしてETAを接種した新産マウス皮膚組織を水溶性画分(PBC可溶性)と不溶性画分に分け、不溶性画分を脱水溶液にて可溶化し二次元電気泳動で解析中である。一方、ET不感受性新産ラット皮膚組織においても、新産マウス同様にγ-カテニンの発現が強く、生後10日ではその発現が低下する。この結果から、新産マウス皮膚組織には現在追及中であるETの切断物質の他にETの受容体が存在し、ラットには受容体はないと考察した。さらにPAG電気泳動法では、新マウスSDS可溶性画分はETと結合し、新産マウスに表皮剥脱毒性も中和するが、水溶性画分にはそのような活性は見られなかった。一方、新産ラットのSDS可溶性画分にはETとの結合活性も毒素中和活性も見られなかった。新産マウスのSDS可溶性画分をノイラミニダーゼで処理した結果、ETとの結合活性、中和活性を失うことから、ETの受容体はガングリオシドであると推定し、確認のため子牛脳由来のガングリオシドGM1は1.25mgで3-4.5μgのETAを中和し、また5-20%PAGEで本来、4本のbandとして泳動するETA_<1,2,3,4>(4.5μg)が62.5-250μgのGM1により1本のbandとして泳動した(band shift)。現在、新産マウスのin vivoでETによるγ-カテニンの変化をウエスタンブロットにて解析中であり、さらにsilica gel thin layerクロマトで新産マウスの皮膚ガングリオシドのパターンを検索中である。
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